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橋本 梓

美術館研究員

中村悠介

編集者

今回インタビュアーを務める橋本 梓さんは、大阪・中之島にある国立国際美術館に勤務する研究員。そんな橋本さんがインタビューする中村悠介さんは、大阪発のローカル・カルチャー・マガジン『IN/SECTS』をはじめ、さまざまなメディアの編集や執筆、イベント企画などを手がける編集者。この7月に国立国際美術館で開催される「Music Today on Fluxus 蓮沼執太 vs 塩見允枝子」の企画を共に進めているおふたりの間で、果たしてどんなお話が繰り広げられるのでしょうか?

4. どんな企画をやりたいですか?

中村悠介 

アホな問題提起が好きなんですよね。でも、その話題だけ2時間喋れるならそれはそれで豊かではないか、と(笑)。

Q.いま「IN/SECTS」は、どんな体制で運営しているんですか?

中村:スタッフは6名です。普段はフリーペーパーの制作を請け負ったり、別媒体の取材をしたり、みんなバラバラの動き方をしていますが、毎日だいたいスタッフみんなで、いつもここ(アララギ)のカレーを食べていて、その時に「次はこういう特集にしたい」とか「こういう企画が面白いんじゃないか」ということを言っているんですけど、全然形になっていない(笑)。最近は日々の仕事が忙しくなってきていて、もちろん会社としてはありがたいことですが、自分たちから勝手に発信することをしたいな、と。

Q.私「IN/SECTS」に食べ物の特集をやってほしいんですよ。

中村:そういうのやってないですからね。どういう視点で取り上げるかによると思うけど、「どこそこのレストランが美味しい」とかじゃなくて、検索で引っかかりようのないもの、例えば「おふくろの味」をテーマにしたりとかね。一時期、人と会う度に「おふくろの味」を聞くことがなぜかマイブームだったんです。橋本さんは何か思い浮かびますか?

「IN/SECTS」誌面より。 「IN/SECTS」誌面より。

Q.う−ん、すぐには思い浮かばないなぁ。

中村:そもそも「おふくろの味」の定義が難しいですよね。実際に聞いてみると、肉じゃがみたいなステレオタイプなものはあまりなくて、むしろ名前がないような料理が多かったりするんです。でも、その内容よりも「おふくろの味って何だろう?」と考えるのが面白いなって。例えば、僕のおふくろの味は親子丼なんですけど、それがなぜか考えてみると、たしかに卵も鶏肉も好きなんだけど、「おふくろ感」みたいなものって何?って(笑)。そういうことをあーでもないこーでもないと考えるのが楽しいんですよ。「徹底追及 おふくろの味」やりたいですね。わからないけど。

Q.色んな世代や職業の人がどんな食生活を送っているかをデータとかでも見てみたい。原発のこともあって食べ物に敏感になっている人も多いけど、みんなどうやってそこに折り合いをつけているか知りたいですね。…ってなんで私が企画考えてるんだろう(笑)。


中村:食べ物は色んな切り口がありますよね。でも例えば、今日みんなで話していたことですけど、昔のプロポーズの言葉で「お前の作る味噌汁が食べたい」とかがあったと思うけど、いまそれに変わる言葉って何?って。例えば、「Facebookの交際ステータスを一緒に既婚にしないか」とか(笑)、そういう意見が出ましたけど。まぁ、しょうもないというか、アホな問題提起が好きなんですよね。でも、その話題だけ2時間喋れるならそれはそれで豊かではないか、と(笑)。それが敗者の言い訳に聞こえてしまう、そんな世の中だと寂しい限りですが、そういう話を自分ちの鍋パーティとかでしているのが、本当は一番楽しいんです。今度、鍋やりましょうか。<インタビュー終わり>

インフォメーション

橋本さんと中村さんが企画に携わっている「Music Today on Fluxus 蓮沼執太 vs 塩見允枝子」は、7月7日に国立国際美術館で開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 橋本 梓 

    橋本 梓

    美術館研究員

    1978年滋賀県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。2008年より国立国際美術館にて研究員を務める。企画展に「風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから」(国立国際美術館、2011年)、「〈私〉の解体へ:柏原えつとむの場合」(国立国際美術館、2012年)、共同キュレーションによる「Omnilogue: Alternating Currents」(PICA、オーストラリア/国際交流基金、2011年)。共訳書に、ジョナサン・クレーリー『知覚の宙吊り』(平凡社、2005年)。

  • 中村悠介 

    中村悠介

    編集者

    1976年生まれ。京都市在住。雑誌編集者。過去は「Lマガジン」(京阪神エルマガジン社)、「OK FRED」(リトルモア)。現在は大阪の谷町6丁目で「IN/SECTS」(LLCインセクツ)の編集業に携わる。