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青山裕企

写真家

青山庸子

会社員

スクールガール・コンプレックス』『ソラリーマン』をはじめとする写真集や、今をときめくアイドルたちのポートレート撮影などを手がけ、さらに最近ではエッセイなどの執筆活動も積極的に行うなど、いま最も話題を集めている写真家のひとり、青山裕企さん。そんな彼が、今回インタビューをする相手は、なんとご自身の奥さまです! 先日出版されたばかりの新著『<彼女>の撮り方』でも奥さまにまつわるエピソードを披露している青山さんが、付き合ってからわずか半年で結婚を決めたという”いちょこさん”こと庸子さんに聞きたいこととは?

3. なぜそんなに自分を肯定できるんですか?

青山庸子 

家族とかいま付き合っている人だけは何があっても自分のことを支持してくれるということを私は強く信じているのね。それはもしかしたら、神がいるから救われるという宗教的な考え方に近いのかもしれない。

Q.僕と初めて会った時、いちょこさんは大学4年だったと思うけど、その時はエステのバイトをしていたよね。そのまま就職をして、その後事務の仕事を経て、いまはノベルティグッズの営業企画の仕事をしているわけだけど、仕事は変わっても中身は良い意味で変わらないなと。僕の場合は、写真家になると決めてからはそれだけをやってきているけど、いちょこさんは仕事のことはどう考えているの?

庸子:職種は毎回全然違うんだけど、私の中の基本的なスタンスは一貫していて、結局人と話すことが好きなんだよね。美容の仕事をしていた時も、エステがやりたかったというよりは、その会社の人と環境に魅力を感じたのがきっかけだったんだよね。私が貧乏学生なりにお客さんで通っていた時からそこの店長が好きで、その店長のお客さんとの関わり方がスゴく素敵だった。自然で明るくて、でも女性それぞれを真剣に応援する人だったんだ。その頃から変わっていないのは、人と話をして、その人が作りたい状況を一緒に考えながら形にしていくことが好きだということ。人の言葉が企画になり、立体化される過程が面白いし、作った後に良かったと言われるものを残していきたいっていうのがあるんだと思う。

Q.うちの父親が倒れて実家に戻って、いちょこさんを父に紹介した時に、「結婚するかどうかわからないけど、一生応援し続けます」って言ってくれたでしょ。その言葉はずっと残っているし、いま話してくれた仕事のことにもつながるけど、人を応援したいという思いが一貫してあるんだね。

庸子:よく言えば「応援してくれる人」だし、悪い言い方をすれば「おせっかい」。それは小学生くらいから変わらない。高校の頃とかはとにかく忙しくやり繰りするのが好きで、生徒会とかやってたんだけど、いま振り返ると忙しくて手が回ってなくて、その分周りに色々迷惑をかけていたと思う(笑)。

青山裕企「ソラリーマン」

Q.ボランティアをする人とかに多いと思うんだけど、最終的に満たされるのは自分というパターンってあるじゃない。でも、いちょこさんは、最終的に自分のためになるかどうかということを全く考えていない感じがするんだよね。そのことともつながるのかもしれないけど、根本的に自分に自信がある人なんだなと思う。それは虚勢の裏返しの自信ではないし、こんなにナチュラルに自画自賛を繰り出せる人は見たことがないって (笑)。僕自身、自分に何もないと思っていた頃は自意識過剰になることで自分を保っていたところがあったのね。それがなくなると今度は自分を卑下していくようになって。いまは卑下もすることなく、ありのままを出せるようになったと思うんだけど、それは本当にここ1、2年のことなのね。いちょこさんのその絶対的な自分への肯定感みたいなものがどこから来ているのか、その謎を知りたい (笑)。

庸子:自信があるというのかはわからないけど、家族とかいま付き合っている人だけは何があっても自分のことを支持してくれるということを私は強く信じているのね。それはもしかしたら、神がいるから救われるという宗教的な考え方に近いのかもしれない。もし裏切られたら本当にクジけるだろうけど、どんなに八方塞がりの状態になっても、裕企や親たちは私の味方でいてくれる。たとえその場にいなくても、その人たちのことを感じられる。最近はさらに先の思考回路にも繋がるようになってきたんだよね。もしその人なら同じような窮地に立った時でも、おそらくこんな風に解決していくんじゃないかな? なんていうその人の視野から見た解決方法まで考えるのね。例えば、どうしようもないトラブルが起きた時、裕企がいたら「それは誰が悪いわけでもない。自然に起きてしまった事故。だからそんなに落ち込まない方がいいよ」って多分言うだろうな、とか想像するの。そうするとあまり立ち止まらなくなるんだよね。<続く>

インフォメーション

青山裕企さんの最新エッセイ『<彼女>の撮り方』がミシマ社より、写真集『跳ばずにいられないっ! ソラリーマン ジャパン・ツアー』が徳間書店より発売中。

もっと知りたい人は…

  • 青山裕企 

    青山裕企

    写真家

    1978年愛知県生まれ。2005年筑波大学人間学類心理学専攻卒業。2007年キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。東京都在住。サラリーマンや女子高校生など“日本社会における記号的な存在”をモチーフにしながら、自分自身の思春期観や父親像などを反映させた作品を制作している。近刊に『ガールズフォトの撮り方』(誠文堂新光社)、『僕は写真の楽しさを全力で伝えたい!』(星海社新書)など。

  • 青山庸子 

    青山庸子

    会社員

    1983年東京生まれ。2003年度同志社大学文学部美学及芸術学専攻。2005年早稲田大学第二文学部表現・芸術系専修卒業。東京都在住。学生時代は演劇におけるアートマネジメントを学び、学外では演劇の制作スタッフとしてプロ事務所アシスタントバイトを体験。広い視点から演劇の在り方を見るべく、知り合いのエステサロンへ就職。寿退社後は大手企業の一般事務経験を経て、現在のノベルティグッズ製作等を手がける企画営業職へ落ち着く。