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梅沢和木

美術作家

泥犬

アニメーション作家
劇団イヌカレー

カンバセーションズにはインタビュアーとして2度目の登場となる現代美術作家の梅沢和木さん。その梅沢さんが今回インタビュー相手として選んだのは、『魔法少女まどか☆マギカ』における異空間設計をはじめ、『ニセコイ』『偽物語』『うさぎドロップ』など数々の作品に関わってきたアニメーション作家ユニット「劇団イヌカレー」の泥犬さん。メディアやアプローチこそ違えど、同じコラージュという手法を用いて独自の世界観を構築してきた泥犬さんに、アニメーションの世界にも精通する梅ラボさんが迫った貴重なインタビューをお届けします。

5. もし仕事がなくなったらどうしますか?

泥犬 

考えてはいたけどやり損なっていたことを一からしたいです。そう考えると、完全に名前を変えて、映像コンペに作品を応募するということをすると思います。

Q.特別意識しているわけではないんですが、自分の作品はデジタルやネットがキーワードとして挙げられるだけあって、いまっぽいと言われることなどもあります。個人的に劇団イヌカレーの作品は、中高生から20代にかけての若い子たちに特に支持されている印象があるのですが、世の中からの受け入れられ方や、作品が持つ時代性という部分は意識されていますか?

泥犬:さすがにネットで自分たちの評判を覗く勇気はないのですが、どちらにせよ世の中からの受け入れられ方というのはあくまでも結果に過ぎないと思うので、ほとんど意識していません。時代性ということについても、たまたまそこに運良く席が空いていて、うまく収まることができたという感覚です。だから、明日も同じ仕事があるとは思わずに、いつ必要とされなくなってもしかたないという気持ちで仕事をしています。いつかは野良犬生活です。

Q.幸い僕もいまは作品を発表する機会が色々あるのですが、もしかするとある日突然何もなくなるかもしれないと思うことがあって、もしそうなったら何をしようと考えたりするんです。泥犬さんは、もしいまの仕事がなくなったらどんなことをしますか?

泥犬:いまの仕事がすべてなくなったとしたら、考えてはいたけどやり損なっていたことを一からしたいです。そう考えると、完全に名前を変えて、映像コンペに作品を応募するということをすると思います。でも本当は仕事の合間にでもやるべきなのでしょうが。ちなみに、梅ラボさんはどんなことをしたいと思っているんですか?

梅沢和木「空から降り注ぐ一億の画像」 梅沢和木「デジタル・ハードコア・クッキー・レクイエム」

Q.僕も自分が好きだったけどいままでやっていなかったことですね。例えば、趣味でMAD動画をつくってニコ動YouTubeに上げたり、漫画を描いたりですかね。中学生の頃は、漫画家になりたいと思っていたんですが、次第に自分には向いていないと思うようになって。自分がやりたいことと得意なものが違うというのは往々にしてあることで、ゲームや漫画などをつくるというのは憧れていたことなんですが、自分は物語をつくるということがおそらく得意ではないんです。一方で、同じ幅でずっと線を引いていくとか、何かをクリックし続けるとか、そういうことが自分には延々とできるので、ひたすら画像をコラージュをしたり、細かい絵を描いたりということができたのかなと。おそらくそれは一生できることですが、物語をつくるということは続けていくと辛くなるのかなと思ったりします。

泥犬:とにかく絵を描き続けていきたい人と、物語も込みでつくっていきたい人がいますよね。犬の場合は、本格的な仕事としてアニメに携わることを諦めてからは、何かしら物語をつくって映像で表現できないかと考えるようになったんですが、実は個人の活動の仕方がわからないままここまで来てしまったところがあって、現在もこれで大丈夫なのかと思っています。梅ラボさんは、個人で作品を制作、展示するということを続けているので、個人の論法というものがわかっていると思うんですが、犬はたまたま流されるままここまで来てしまった感があるので。もしいまの仕事がなくなったとしたら、映像制作を目指す人がまず何をするかということを考えるだろうし、そうするとコンペに出すことになるのかな、みたいな。<インタビュー終わり>

インフォメーション

劇団イヌカレーによる漫画「ポメロメコ」が隔月刊『Nemuki+』にて連載中。6月には、劇団イヌカレー「イメージノート2」が別巻で同梱された『「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語」 PRODUCTION NOTE』が発売。
3月28日から4月20日までビリケンギャラリーで開催される『セーラー服コンプレックス 3』展に梅沢さんが新作を出品予定。また、5月10日から25日まで、森ビル内ROPPONGI HILLS A/D GALLERYにて、梅沢さんが所属するカオス*ラウンジが新作を発表予定。6月から7月末にかけては、ニューヨーク・Friedman Benda Galleryにて、『Duality of Existence – Post Fukushima』を開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 梅沢和木 

    梅沢和木

    美術作家

    1985年生まれ。美術家。ネット上の画像を集め再構築し、アナログとデジタル、現実と虚構の境目を探る作品を制作し発表している。2013年に『LOVE展:アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで』(森美術館)などの展示に参加。2013年に個展『エクストリームAR画像コア』(DIESEL ART GALLERY)を開催。CASHIおよびカオス*ラウンジに所属。beatmania IIDX tricoroSP段位皆伝(1467-5211)。

  • 泥犬 

    泥犬

    アニメーション作家
    劇団イヌカレー

    日本犬初のアニメーション作家(雑種)。『魔法少女まどか☆マギカ』の異空間設計や、TVアニメのオープニング、エンディング映像などを手がける他、イラスト等の仕事も行う。好きな鳩は土鳩。