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植原亮輔

アートディレクター

平松正顕

天文学者

今回、カンバセーションズで初めてインタビュアーを務めてくれる植原亮輔さんは、デザインスタジオ「キギ」の代表を務めるアートディレクター。グラフィック、プロダクト、空間など幅広い領域のデザインを手がけ、さらに作品集の出版や展覧会でのプライベート作品の発表なども精力的に行う日本屈指のクリエイターである植原さんがインタビューするのは、国立天文台で働く天文学者の平松正顕さんです。星の形成や電波天文学を専門とし、南米・チリにある電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」のプロジェクトにも関わる平松さんに、植原さんが聞きたいこととは?

インタビューの前に

植原亮輔 

いま、植原亮輔さんが聞きたいこと

「僕は、クリエイティブやデザインというものを、木になぞらえることがあります。例えば、ブランドを1本の木に見立てると、まず思いや知識、教養、培った技術などといった養分、水分を根が吸い上げることで、しっかりと地面に立つことが必要です。そして、吸い上げた栄養が地表、つまり社会に芽吹き、幹が育ち、やがて枝葉にわかれ、実ができます。ここで言う葉はグラフィックや空間などイメージをつくり上げるデザインで、枝は外部からの光や雨風、つまり賞賛や叱咤激励など社会からの反応を循環させる役割を持っています。そして、これらはすべて、ブランドの商品である実を際立たせるために存在していて、僕らアートディレクターというのは、外気や土などの状態を見ながら、木をまっすぐに育てていく植木職人のような仕事だと思っているんです。
さまざまな要素を根から吸い上げ、やがて果実となり、社会に広がっていくという一連の流れの背景には、『集合と拡散』という構造があるんじゃないかと、ある時に思い至りました。そして、これこそがものづくりの背景にある普遍的な構造なんじゃないかと。さらに言うと、これはクリエイティブのみならず、世の中のすべての事象に当てはまる構造なんじゃないかとすら感じています。
生命の営みや人の一生などにも当てはまると僕が思っている『集合と拡散』という構造は、宇宙そのものの法則なんじゃないかという気がしています。ものづくりをしていると、人間とは何か、生きることとは何かという本質的な部分に向かっていきがちなのですが、そういうことを考えていくと、宇宙とつながってくるんです(笑)。
子どもの頃から図鑑を開くことが好きだった僕は、太陽の一生などに思いを巡らせ、とても不安になった記憶があります。僕は美大出身で、難しい理論の話などを聞いてもイメージでしか捉えられないところがあるのですが(笑)、今日はいつかお会いしてみたかった天文学者の方とお話できる良い機会なので、自分が気になっていることを色々ぶつけてみたいと思っています」

もっと知りたい人は…

  • 植原亮輔 

    植原亮輔

    アートディレクター

    2012年KIGIを設立。幅広くクリエイティブ活動を行う。主な仕事に、PASS THE BATONのVI、シアタープロダクツのグラフィックワークなど。D-BROSのフラワーベースは毎年新しいデザインを発表し、現在80種類以上のラインナップがある。また、滋賀県の伝統工芸の職人達と陶器、家具、布製品のブランド「KIKOF」を立ち上げたり、デザインワークの流れの中で作品制作をして展覧会をするなど、自在な発想と表現力であらゆるジャンルを横断しながら、クリエイションの新しいあり方を探し、生み出し続けている。東京ADCグランプリ、第11回亀倉雄策賞等受賞。東京・白金にキギのデザインしたプロダクトが並ぶショップ&ギャラリー「OUR FAVOURITE SHOP」をオープンさせた。

  • 平松正顕 

    平松正顕

    天文学者

    1980年岡山県生まれ。2008年、東京大学大学院理学系研究科天文学専攻 博士課程修了。博士(理学)。台湾中央研究院天文及天文物理研究所博士研究員を経て、2011年より国立天文台に勤務。電波望遠鏡を使って星の誕生プロセスを明らかにするための研究をしている他、アルマ望遠鏡をはじめとする電波天文学プロジェクトの広報担当として、講演や執筆活動を行っている。