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内沼晋太郎

ブックコーディネーター
クリエイティブディレクター

横山シンスケ

東京カルチャーカルチャー店長

本とアイデアのレーベル「numabooks」の代表として、ブックコーディネートをはじめ、本にまつわるさまざまなプロジェクトを手がけている内沼晋太郎さん。そんな彼が今年の7月に、博報堂ケトルとともにお酒が飲めるブックショップ「B&B」を下北沢にオープンすることになりました。B&Bでは、なんと無謀(?)にも毎晩ゲストを招き、トークライブを開催する予定とのことで、今回内沼さんが話を聞きたい人として指名したのは、過去に新宿・ロフトプラスワンのプロデューサーとしてさまざまなイベントの企画・運営に携わり、現在はお台場にある人気のイベントスペース・カルカルこと「東京カルチャーカルチャー」(運営:ニフティ)の店長を務める横山シンスケさん。カルカルオープン当初、創作おにぎりユニット・ニギリズムとしてイベントに出演した経験もある内沼さんが、”イベントの神様”・横山シンスケさんに、いま本当に聞きたいこととは?

3. イベントスペースに個性は必要ですか?

横山シンスケ 

うちは基本的には何でもアリにしているけど、店には人格を持たせた方が良いです。

Q.30人規模のイベントを毎晩やると公言してしまったのですが、すでにブッキングだけで心が折れそうになっています…。

横山:あまり「毎晩」とか言ってハードルを上げない方がいいと思いますよ。毎日やるということは大切なことだけど、それでノイローゼになって体を壊した人をたくさん観ているので(笑)。あと、著者にもよると思うけど、30人お客さん呼ぶというのはそんなに簡単ではないから、出演者にもTwitterやブログなどを通して告知してもらうということも大事ですね。出演者本人が汗をかいていないとすぐにバレてしまうし、リスクはお互い持つようにした方がいいと思いますよ。ちなみに、店長は別に誰かを立てるんですか?

Q.はい。

横山:それならとりあえず毎日開けておくというのはいいかもしれないですね。イベントを企画できる店員さんを増やしていくといいと思います。「何かやりたいんですよね、何かを…」と言っている若い子をどんどん入れていくのは重要ですよ(笑)。ロフトの時もバイトでイベントやってみたいと言っていたヤツをすくい上げていったら、結局ブッキングマンが5人くらいになっていましたからね。

Q.カルカルのイベントは、「○○ナイト」というタイトルが付いているものが多いですが、何かこだわりがあるのですか?

横山:わかりやすさとポップさですね。そして、実は何も言っていないという(笑)。ロフトにいた時は、上から「○○ナイト」というネーミングを禁止されたことがあって、その時のストレスは大きかったですね(笑)。そういう店にはしたくないという理由で、もっと「○○を考える」とか「○○とは何か」みたいなタイトルにしろと言われたんですけど、自分としては、そういうメッセージ性はあまり重要じゃなくて、所詮飲み屋での楽しいイベントだと思ってやっているところがあるんですよね。あと、やっぱり「○○ナイト」のルーツは(大貫)憲章さんの「ロンドンナイト」。パンクな感じがしていいし、なんかワクワクするじゃないですか。「○○ナイト」とネーミングにできるかどうかを基準にイベントを考えているところがあるかもしれないですね。例えば、「卵かけごはんナイト」だったら、食べ物も出せるし、いろんなことができるなとイメージができたら、出てもらいたい人たちに依頼をするんです。でも、前に「自転車ナイト」っていうのをやったら、あまりにもザックリしすぎていて、あまり人が来なかった(笑)。何も言わないにもほどがあるだろと (笑)。

いままでサブカルという言葉が大嫌いだったけど、震災以降は好きなことは好きと胸を張って言おうよと思うし、そういう自分の色や思いがないと、「何のためにやっているんだろう?」ということになってしまうんですよね。

Q.東京カルチャーカルチャーロフトプラスワンのようなライブハウスをやっていると、良くも悪くも「カルカルっぽいイベント」とか「ロフトっぽいイベント」という色がついてくると思うんです。僕がこれからイベントの運営をしていくにあたって、「B&Bっぽいよね」と言われるようになるブッキングを心がけていくべきだと思いますか? ある一定のイメージが付いた後、もしそのイメージが古いものになったら、長続きしないんじゃないかという気もします。自分の色というのは出すべきなんでしょうか?

横山:それは出した方がいいと思いますよ。店には人格を持たせた方が良いです。うちは基本的には何でもアリにしているけど、どこかで線引きしているところがあるんです。例えば、下品なものはやりたくないという思いがあるんだけど、何をもって下品とするかというのは僕という個人にしかわからない。あと、「左利きナイト」とか「血液型B型総決起集会」とか、客が集まらないのはわかっていてもやるイベントというのもあるんだけど、100年後に、横山シンスケという人がすでにこんなイベントをやっていたんだと言われたいという思いもどこかにあったりする。林くんともよく話すんですけど、僕はいままでサブカルという言葉が大嫌いだったけど、震災以降変わったところがあって、やっぱり好きなことは好きと胸を張って言おうよと思うし、そういう自分の色や思いがないと、「何のためにやっているんだろう?」ということになってしまうんですよね。<続く>

インフォメーション

numabooks博報堂ケトルの協業によるブックショップ「B&B」は、7月10日プレオープン、7月20日本格オープン予定。7月10日~15日までは、CASA BRUTUS×B&Bのイベントが毎日開催される。

B&B
Address:東京都世田谷区北沢2-12-4
URL:bookandbeer.com
営業時間:12:00~24:00
Tel:03-6450-8272

もっと知りたい人は…

  • 内沼晋太郎 

    内沼晋太郎

    ブックコーディネーター
    クリエイティブディレクター

    numabooks代表。1980年生まれ。一橋大学商学部商学科卒。2003年、本と人との出会いを提供するブックユニット「book pick orchestra」を設立し、2006年末まで代表をつとめる。並行して自身の「本とアイデア」のレーベル「numabooks」を設立。2011年からは読書用品ブランド「BIBLIOPHILIC」(株式会社ディスクユニオン)プロデューサーを務め、旗艦店「BIBLIOPHILIC&book union SHINJUKU」(株式会社ディスクユニオン)では店舗プロデュースも手がけている。著書に『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』(朝日新聞出版/2009)。

  • 横山シンスケ 

    横山シンスケ

    東京カルチャーカルチャー店長

    1967年生まれ、高知県出身。97年よりトークライブハウス「新宿ロフトプラスワン」のプロデューサーとして、2,000本以上のイベントを担当。06年4月ニフティ株式会社に入社。07年8月よりお台場「東京カルチャーカルチャー」の店長兼プロデューサー。