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内沼晋太郎

ブックコーディネーター
クリエイティブディレクター

横山シンスケ

東京カルチャーカルチャー店長

本とアイデアのレーベル「numabooks」の代表として、ブックコーディネートをはじめ、本にまつわるさまざまなプロジェクトを手がけている内沼晋太郎さん。そんな彼が今年の7月に、博報堂ケトルとともにお酒が飲めるブックショップ「B&B」を下北沢にオープンすることになりました。B&Bでは、なんと無謀(?)にも毎晩ゲストを招き、トークライブを開催する予定とのことで、今回内沼さんが話を聞きたい人として指名したのは、過去に新宿・ロフトプラスワンのプロデューサーとしてさまざまなイベントの企画・運営に携わり、現在はお台場にある人気のイベントスペース・カルカルこと「東京カルチャーカルチャー」(運営:ニフティ)の店長を務める横山シンスケさん。カルカルオープン当初、創作おにぎりユニット・ニギリズムとしてイベントに出演した経験もある内沼さんが、”イベントの神様”・横山シンスケさんに、いま本当に聞きたいこととは?

2. イベント企画の秘訣は何ですか?

横山シンスケ 

うちのひとつのコンセプトとして、現場に来ないと体感できない三次元の要素をひとつ足すというのがあります。

Q.まだ無名の新人を発掘するということに興味があるのですか?

横山:そうかもしれないですね。「デイリーポータルZ」の林(雄司)くんと出会った時に、面白いことしかやらないという姿勢とか、ネットだけではなくリアルでも面白いことをやっているところとかが破壊的に面白かったんですね。それ以降林くんと一緒にイベントをやるようになって、ネット界隈の有名人なんかも呼ぶようになったんですが、それがとても面白くて。やっぱり新しい表現者に会うというのが、やっていて一番楽しいんです。大槻ケンヂも言っているけど、お金にはならなくても好きなことはできる、というのを地で行っている感じですね。このお店の話も、7年前くらいに「デイリーポータルZ」の人から、ニフティがリアルの場を作りたがっているという話を聞いて、僕が企画書を書き、林くんたちのプッシュもあって実現したんです。それで、東京カリー番長とか、内沼くんたちがやっていたニギリズムとかを呼んだイベントなどをやるようになって。うちのひとつのコンセプトとして、現場に来ないと体感できない三次元の要素をひとつ足すというのがあって。これ、たぶん大事なポイントですよ。

リアル脱出ゲーム

Q.三次元の要素というのは、食べ物以外にはどんなものがあるんですか?

横山:例えば、前に林くんが、一番好きな匂いをみんなで持ち寄るという「いい匂いナイト」というのをやっていましたね。爪の垢とかを持ってきたヤツがいてキツかったけど、面白かった。あと、ロフト時代からやっている「デモ評議委員会」というイベントがあって、デモ音源をこの場で聴いて、プロのミュージシャンがアドバイスをするというものなんですけど、好きなアーティストの意見を目の前で聞けるというのはいいと思うし、実際にスカウトされてデビューした人もいます。さっき話した「リアル脱出ゲーム」なんかもメチャクチャ面白いですよ。3年前に池尻のものづくり学校で初めて参加した時に、ショックを受けるほど面白くて。彼らが面白いのは、音楽で例えると(セックス・)ピストルズを見た客がみんなバンドを始めた時のような、「オレにもできるんじゃないか」と思わせる可能性を秘めていること。最近は面白いインディーズ団体がいっぱい出てきていて、それを一生懸命誘致しているんです。そろそろ表舞台に出てくるかなという人たちにイベントの場を提供して、当たってきたらその人たちに一週間ここでずっとイベントをやってもらうということをしています。いま自分が謎解きイベントなどの参加型イベントにシフトしているのは、目の前のお客さんが変わっていくことが見ていて一番楽しいからなんです。イベントって、もう目の前のカリスマを見ているだけじゃ物足りなくなってきているんですね。この分野は新しいシーンになりつつあって、それを自分たちで作ろうといま必死になっているところなんですよ。

デモ評議委員会

Q.ブッキングはどのようにやっているんですか?

横山:基本的には出てもらいたい人の事務所を探して、正攻法でオファーしてます。友達づてに交渉したりすると、しがらみが生まれてしまったりするからあまり好きじゃないんです。ちなみに、人選のためのネタ探しとして僕が一番使っているのは本屋です。面白い人たちは、まずネットで情報発信をしていて、そこで有名になったら本を出し、さらに人気が集まるとテレビに出る。この流れは昔から変わっていないと思うので、ネットで検索をしたり、本屋に行ってイベントに出てほしい人を探しています。本屋で色んな棚を見ては、「このジャンルにはこんな人いるんだ」とメールをするふりをして携帯にメモをしてます(笑)。ただ、オーケン(大槻ケンヂ)リリー(・フランキー)さんのように、しゃべりもうまくて本も面白いという人は稀なので、そこは見極めてやっていくしかないし、結局自分たちが司会としてコンシェルジュ的な立場を担わざるを得なかったりするんですけどね。でも、イベントに出てくれた人たちが有名になっていくのはうれしいですよね。オレが有名にしたんだと自慢もできるし (笑)。<続く>

インフォメーション

numabooks博報堂ケトルの協業によるブックショップ「B&B」は、7月10日プレオープン、7月20日本格オープン予定。7月10日~15日までは、CASA BRUTUS×B&Bのイベントが毎日開催される。

B&B
Address:東京都世田谷区北沢2-12-4
URL:bookandbeer.com
営業時間:12:00~24:00
Tel:03-6450-8272

もっと知りたい人は…

  • 内沼晋太郎 

    内沼晋太郎

    ブックコーディネーター
    クリエイティブディレクター

    numabooks代表。1980年生まれ。一橋大学商学部商学科卒。2003年、本と人との出会いを提供するブックユニット「book pick orchestra」を設立し、2006年末まで代表をつとめる。並行して自身の「本とアイデア」のレーベル「numabooks」を設立。2011年からは読書用品ブランド「BIBLIOPHILIC」(株式会社ディスクユニオン)プロデューサーを務め、旗艦店「BIBLIOPHILIC&book union SHINJUKU」(株式会社ディスクユニオン)では店舗プロデュースも手がけている。著書に『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』(朝日新聞出版/2009)。

  • 横山シンスケ 

    横山シンスケ

    東京カルチャーカルチャー店長

    1967年生まれ、高知県出身。97年よりトークライブハウス「新宿ロフトプラスワン」のプロデューサーとして、2,000本以上のイベントを担当。06年4月ニフティ株式会社に入社。07年8月よりお台場「東京カルチャーカルチャー」の店長兼プロデューサー。