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杉浦裕樹

ヨコハマ経済新聞 編集長

稲吉 稔

美術家

インタビュアーを務めてくれる杉浦裕樹さんは、横浜臨海エリアを対象にさまざまなニュースを紹介するヨコハマ経済新聞の編集長。創造的な横浜のまちづくりを実践するNPO団体・横浜コミュニティデザイン・ラボのメンバーでもある杉浦さんがインタビューするのは、同団体の活動拠点であり、さまざまなイベントなども行っているシェアオフィス「さくらWORKS<関内>」のリノベーションを手がけた稲吉稔さん。横浜・若葉町にある元銀行の古ビルを改装したスペース「nitehi works」を活動拠点とし、アートワークリノベーションという独自のアプローチで横浜の街と関わっている稲吉さんに、杉浦さんが聞きたいこととは?

2. 場所からは何が生まれますか?

稲吉 稔 

色んな領域の人たちの交流によって相乗効果が生まれ、さらに別のイベントなどに発展するというようなことが自然に起こっていくんです。

Q.先ほど話に出た「nitehi works」が始まったきっかけを教えて頂けますか?

稲吉:もともと金融機関があった4階建てのビルが若葉町にあったのですが、色んな領域の人たちが交流できる場所を作るために、2010年にこれを借り受けて始めたのが「nitehi works」です。当時、野毛の辺りで物件を探していたのですが、この空間に惚れてしまって、結果的には探していた規模とはかけ離れて大きな場所を借りることになりました。イベントの企画を持ち込んでくれる方も同じことをおっしゃってくれるのですが、この場所が発するエネルギーに凄く可能性を感じ、背中を押されたところがありました。現在は1、2Fが多目的に使えるカフェ機能を備えたスペースで、3Fが展覧会やパフォーマンスができる空間、さらにその上の4Fがスタジオになっています。

Q.僕らが運営している横浜コミュニティデザイン・ラボというNPO法人も2010年秋から半年ほど、nitehi worksに拠点を置いて活動をしていたんですよね。この場所ができたことで色んな企画が行われるようになり、多くの人が集まるようになりましたよね。

稲吉:そうですね。これは本当にありがたい話なのですが、僕が想像もしていなかったような企画やイベントがこの場所で起こっていく状況を現場で見られるというのは大きな刺激になっています。色んな領域の人たちの交流によって相乗効果が生まれ、さらに別のイベントなどに発展するというようなことが自然に起こっていくんです。こちらが何かを企てるわけではなく、自然にコミュニケーションが始まっていくという現象を現場で見ているような感覚が強いですね。

nitehi works nitehi works nitehi works  Painting: 内海聖史

Q.Bゼミで知った「シャンブル・ダミ」展からスタートした稲吉さんの活動は、作家としてのアクションだけではなく、クリエイターが集まる場所やコトを作るということにまで広がっていったんですね。「nitehi works」のビルは45年以上前のものなんですが、もともとそこにあったものがとても効果的に使われていますよね。

稲吉:そうですね。例えば、「nitehi works」で使われている天井扇は、もともと屋上にあった室外機の羽なんですね。それを解体屋さんが運んで行こうとしていたのですが、たまたま僕の目の前を巨大な羽が通りすぎるのを見て、これは廃材じゃないと思ったんです。ちょうどいま「nitehi works」でやっている展示(※11月10日に終了)も「アップサイクル」ということをキーワードにしているのですが、ただモノを消費していくという考え方ではない形でコミュニケーションをしていくことで、何か違うスイッチが入るというようなことを継続してやっていきたいなと考えています。

インフォメーション

11月23日にnitehi worksにて、イベント「今、ドクメンタ9(伝説の国際美術展)を観る」(解説: 副島輝人)が開催予定。詳細はこちらから。

もっと知りたい人は…

  • 杉浦裕樹 

    杉浦裕樹

    ヨコハマ経済新聞 編集長

    舞台監督として国内外で音楽・ダンス等の現場制作を経験後、2003年にまちづくりや地域情報化を実践するNPO法人「横浜コミュニティデザイン・ラボ」を設立。ヨコハマ経済新聞、港北経済新聞などのWebメディアを運営するほか、学びと対話を軸にした連携・共創の場づくりや、テレワーク事業の推進、オープンデータの利活用の推進等に取り組んでいる。同NPOが運営するアートリノベーションを施したシェアオフィス「さくらWORKS<関内>」内で、8月から市民包摂型ものづくり工房「ファブラボ関内」の運営を開始した。

  • 稲吉 稔 

    稲吉 稔

    美術家

    スペース名であり活動名である「似て非works」は、日常の中で見過ごされている「そこにしかない”気付き”」を活動の軸とし、消費とは対照的な位置からものを考えて、”価値をみつけ”日常に定着させようとする試み。nitehi worksにより、アートワークでアップサイクルした元銀行の古ビルは、領域を超えた活動の場であり、化学反応を生む交流の場になっている。