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飯田将平

グラフィックデザイナー

渋谷信人

シェフ

小豆島でインタビュアーを担当してくれる飯田将平さんは、東京を拠点に活動するグラフィックデザイナー。フリーマガジン「NEWTRAL」や仮想ブックショップ「nomazon」など、グラフィックデザインの領域にとどまらず精力的に活動をしている彼は、瀬戸内国際芸術祭 2013 春会期に、小豆島・醤の郷+坂手港プロジェクトのクリエーター・イン・レジデンスで滞在制作をして以来、現在も小豆島に通い続けています。そんな飯田さんがインタビュー相手に選んだのは、2年前に小豆島に移住し、完全予約制のイタリアンレストラン「FURYU」を営んでいるオーナーシェフの渋谷信人さん。形は違えど、島外から小豆島に入り込み、島の人たちとの関係を築いてきたふたりの対話の行方はいかに?

4. 小豆島の未来は明るいですか?

渋谷信人 

最近は30代前後の人たちがデジタルメディアなどを利用して外から人や知恵を入れながら、流れを作リ出している。行政も凄く積極的に動いているし、こういう動きから流れが変わっていくといいなと思っています。

Q.渋谷さんが小豆島に来て2年ほどになるということですが、移住してきた当初から現在までの間に島に対する印象で変わったことはありますか?

渋谷:正直僕もあまり外に出ていないので、まだ知らないことが多いんですよ。でも、それは島の人たちも同じで、自分の家の半径100mくらいのことしか知らないという人は多いと思います。そういう面でも今回の芸術祭でアーティストの人たちが島の色んな部分を掘り下げて、それを僕らが見に行くというのは、この島を改めて見直すきっかけにもなりますし、こういう形でアートが入るのは良いことだなと。

Q.レストランの名前にもつながる話かもしれませんが、島の人たちはその半径100メートルくらいの狭さの中で、日々の小さな風流を楽しんでいるように見えます。これまで僕は「風流」という言葉を、秋に団子を食べたりするような、節目に現れる行為の中で捉えていたのですが、島の人たちは、都会にいたら感じられないような微妙な気象の変化をきちんと汲み取りながら暮らして、それが風流なんだなと思うようになったんです。海も山も風も光も、毎分毎時刻々と変わっていく。そんな環境の中で、島の色んな要素を摘み取って編集することで料理が出来ていく「FURYU」という存在は凄く豊かだし面白いなと思います。渋谷さんがこれから小豆島でやってみたいことなどはありますか?

渋谷:たくさんありますよ。実際にこれから事業化しようとしていることもいくつかあるんですが、最終的な理想としては、小豆島が「食」に関する留学に来られるような場所になったらいいなと考えています。漁師さんたちがいて、オリーブがあって、柑橘類などもたくさんある小豆島で、生産の現場を見てもらった上で、それを調理しながら学べるような環境を作れたら凄く楽しいなと。小豆島だからこそできるアイデアもあるし、小豆島にこういうものがあったら凄く面白いのにというものもたくさんあるので、できることはとても多いと思っています。

Q.この場所だからこそできることはたくさんありますよね。滞在制作を通じた気づきの中で一番大きかったのは、60~80代くらいの人たちが身体や手に蓄えている知識や技術の豊かさでした。けれど、島の外へ出て行く人も多い分、そういったものが下の世代にうまく継承されていないように見えます。そういった状況が何かしらの形で混ぜ返されて、上手くつながっていくといいなと思います。最近では、渋谷さんのように30代前後の元気な人たちが外から人を呼んできたり、コトを起こそうと動いているのが面白いですよね。

渋谷:僕らくらいの世代が体力的にも立場的にも一番動きやすいと思うんです。何かをやりたかったり、もっとこうならいいのにと思っている人はおそらくたくさんいるし、それができるくらいの時間も権限も持っているはずなんだけど、いざ何かをやるとなると、立場上難しかったり、他の目も気になったりして、結局現状維持に落ち着いてしまうところがあるんですよね。ただ、最近は30代前後の人たちがデジタルメディアなどを上手く利用して外から人や知恵を入れながら、流れを作リ出している。いまは行政も凄く積極的に動いているし、こういう動きから流れが変わっていくといいなと思っています。<インタビュー終わり>

インフォメーション

9月14〜16日に名村造船所跡地で開催される「DESIGNEAST 04」の「SPEAKERS CORNER」に飯田将平さんが出演予定。小豆島での滞在などについてお話しされるそうです。

もっと知りたい人は…

  • 飯田将平 

    飯田将平

    グラフィックデザイナー

    1988年千葉県銚子市生まれ。海と町を行き来しながら、秋には副業で秋刀魚を焼くなどする。最近ではトラック売りの焼き芋屋に弟子入りするも、秋刀魚との旬のバッティングに選択を間違えたかもしれないと日々悶々としながらその訪れを待っている。展覧会や書籍のデザインから、雑誌『アイデア』での編集執筆など、編集とデザインの境界について考えながら働いている。

  • 渋谷信人 

    渋谷信人

    シェフ

    1976年山形県西川町生まれ。日大山形高等学校を卒業後、東北福祉大学に進学するも中退。その後、上京しアルバイトをしながら音楽の道を目指す。志半ばで飲食業に転向。しかし、飲食業の難しさに気づき、レストランに修行に入り、一から料理と経営を学ぶ。 東京・六本木(現在は西麻布)「キュイジーヌ ナチュール チャオベッラ」 、兵庫・西宮 「オステリア ジュリア」副料理長、兵庫・西宮 「ガストロノミア エ バール ジュリエッタ」 料理長を経て、 2011年8月香川・小豆島でオーナーシェフとしてリストランテ フリュウ オープン。