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家成俊勝

建築家

塩田幸雄

小豆島町長

瀬戸内国際芸術祭2013」の参加アーティストとして、小豆島「醤の郷+坂手港プロジェクト」において、誰もが「建てる」ことに参加できる建築プロジェクト「Umaki Camp」を展開している建築家の家成俊勝さん。大阪を拠点に活動する建築事務所dot architectsの共同主宰でもある彼が今回インタビュー相手に指名したのは、その「Umaki Camp」が建てられた敷地のオーナーであり、さらに小豆島町の町長でもある塩田幸雄さんです。長年中央省庁で働き、3年前に故郷である小豆島に戻り、「瀬戸内国際芸術祭2013」にも積極的に関わっている塩田町長に、家成さんがいま聞きたいこととは?

2. 都会との違いはどこにありますか?

塩田幸雄 

地域の人の間では人の家に勝手に集まるというのがまだ許されているところもあって、この「Umaki camp」も馬木の人たちにとっては当たり前のことのように受け入れられているのかもしれないですね。

Q.小豆島に来てから気づいたのですが、ここには海も山もあって自然が凄く豊かで遊べる場所はいっぱいありますが、公園というのはないなということだったんです。

塩田:僕の幼少期の記憶では、児童公園などは何ヶ所かあったんですよ。でもいまはそこに新しいお店などができたりして、いつの間にかなくなっていましたね。

Q.遊ぶ場所には困らないですが、フラッと立ち寄れる公園のような場所がなくなっていて、その機能をいま「Umaki camp」が果たしているのかなと。この「Umaki camp」ような形もこの場所だったからうまくいった気がしています。例えば、これをいきなり大阪で始めても、果たしてここまで色んな人が関わってくれたかどうか。

塩田:そうかもしれないですね。都会から来た人はこの状況を見て驚かれるかもしれないけど、地域の人の間では人の家に勝手に集まるというのがまだ許されているところもあって、この「Umaki camp」も馬木の人たちにとっては当たり前のことのように受け入れられているのかもしれないですね。ただ、僕が小豆島に帰ってきたのは3年前ですが、その時点では、このまま何もしなければ10年先には取り返しがつかない状況になりかねないという印象がありました。若者たちが都会へ行くという流れは強いし、地元の人たちも自分たちの地域がとても素晴らしいところだという意識が少しずつ薄れていたんですね。昔のようにみんなが集まってワイワイガヤガヤやるようなこともなくなってきていたし、ギリギリのところでなんとか踏みとどまっているような感じでした。

Q.でも、島で色んな方とお話をしてみて、この地域の人たちはもともと凄く繋がりが強く、チームワークがあるんだなと凄く感じました。先日、地域の人たちと一緒に脚本を作って、撮影をして、その日に上映をする「ご近所映画クラブ」というワークショップのプログラムを使って馬木の人たちと映画を撮った時も、こちらが用意したルールをさらに良い方法に塗り替えていくような意見がどんどん出てきて驚きました。お葬式という設定なんですが、その中に笑いがあって、さらに社会保障や地域の問題も抑えられていて凄く良かったです。

塩田:なかなかのものですよね(笑)。最初はどうなるかわからなかったけど、抱腹絶倒の素晴らしい作品ですよね。この映画にはこの「Umaki Camp」の素地がよく出ていると思いますし、この馬木地区には、自分からどんどん意見を出して色んなことをやっていける人たちが多くて、昔からそういう基盤があるんです。

もっと知りたい人は…

  • 家成俊勝 

    家成俊勝

    建築家

    1974年兵庫県生まれ。関西大学法学部卒。大阪工業技術専門学校卒。2004年より赤代武志とdot architectsを共同主宰。京都造形芸術大学空間演出デザイン学科准教授。大阪工業技術専門学校夜間部非常勤講師。建築設計、店舗設計、アートプロジェクトなどの施工を手がける。建築における設計、施工のプロセスにおいて専門家、非専門家に関わらず、様々な人々を巻き込む超並列設計プロセスを実践。

  • 塩田幸雄 

    塩田幸雄

    小豆島町長

    昭和26年9月2日小豆島に生まれる。小豆島の小・中・高校を卒業後、京都大学法学部に学ぶ。昭和50年厚生省入省。福祉、医療、年金、環境などの分野の行政を経験。厚生労働省を政策統括官を最後に退官。平成22年4月から小豆島町長。