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関本欣哉

ギャラリー「ターンアラウンド」オーナー

青野文昭

現代美術家

今回インタビュアーを担当してくれるのは、東京でアートを学んだ後、2010年に地元・仙台にギャラリー「ターンアラウンド」を設立した関本欣哉さん。その関本さんがインタビューするのは、同じく仙台を拠点に活動する現代美術家で、2013年に開催された「あいちトリエンナーレ」への出品をきっかけに、近年は国際的にも注目を集めている青野文昭さん。先日、仙台市内の6会場で開催された「せんだい21アンデパンダン展」の企画を手がけるなど、仙台アートシーンの活性化にも積極的に取り組んできた関本さんが、地元を代表する作家である青野さんに聞きたいこととは?

4. 今後はどんな活動をしたいですか?

青野文昭 

基本的には、今後もコツコツと作品をつくり続けていくつもりです。ギャラリーの戦略としても、アジアの作家を世界に紹介していくということなので期待しています。

Q.震災以降、東北の外から来た作家たちは多くの作品を残しましたが、地元で震災を経験した作家で、それ自体を取り上げた表現ができている人はまだ少ないのが現状です。僕たちも、戦後の焼け野原を経験した作家たちが参加した「日本アンデパンダン展」にならい、震災以降の新しい価値観から作品を表現する作家が出てくることを期待して、「せんだい21アンデパンダン展」というのを開催したりしていますが、10年、20年くらい経ってからようやく、震災の経験を消化できた人たちの表現が世に出てくるのかなという気もしています。

青野:震災以降、早い段階でアクションができたのは、写真やパフォーマンスなどの表現でしたよね。造形的な作家たちがここからどういう表現を生み出していけるのかということについては、僕自身まだピンと来ていません。その間に瓦礫は撤去されて更地になり、震災自体も忘れ去られていく可能性もあるわけで、なかなか難しい問題だと思います。

韓国・アラリオギャラリーで開催された青野さんの個展。 関本さんがオーナーを務めるギャラリー「ターンアラウンド」で2012年に開催された石川雷太さんの個展『遊撃~平成パルチザン』。 ターンアラウンドに併設されたカフェ「ハングアラウンド」。

Q.そういう意味でも、震災後もずっと仙台で活動をしている青野さんのような作家が表現を続けていくことはとても重要だと思っています。ただ、仙台には美大や共同アトリエのようなものがなく、制作環境にあまり恵まれていないんですよね…。青野さんはいまどんな環境で制作しているのですか?

青野:街中からは離れた新川というところにアトリエを構えています。ここに流れている川が気に入って住み始めたのですが、まさにきれいな川があるという理由で、ニッカウイスキー蒸留所がつくられた場所なんですね。僕はゴミなどを使って作品をつくっていますが、もともと自然がないとダメなんです。近代的な製品など身近にあるものが作品の素材にはなっていますが、最終的には、一見対極にあるような縄文的なエッセンスと通じ合えるものがつくれたらと考えています。

Q.震災以降、ここでしかできない表現の重要性が高まるなかで、青野さんのような作家とギャラリーが連携しながら、海外に被災地の現状を発信していく必要があると感じています。青野さんもアラリオギャラリーに所属するなど、外向きの活動が盛んになっていると思いますが、今後はどんなスタンスで活動を展開されていくのですか?

青野:基本的には、今後もコツコツと作品をつくり続けていくつもりです。先日開催したアラリオギャラリーでの個展では、震災をテーマにした近作を発表したのですが、日本以上にしっかりと作品を受け取って頂くことができ、とても感謝しています。日本では、震災をネタ的に扱うだけで終わってしまうメディアも少なくなく、論点にバイアスがかかってしまうことも多いのですが、向こうの人たちはしっかりとした記事を書いてくれました。いま韓国では現代美術がかなり盛んで、ギャラリーも日本と違って規模が大きいんですね。また、ギャラリーの戦略としても、アジアの作家を世界に紹介していくということなので、僕自身とても期待しています。<インタビュー終わり>

インフォメーション

青野さんの個展が韓国・済州島のアラリオ美術館Dongmun Motelで2015年10月まで開催中。また、12月10日から2015年1月13日まで沖縄コンテンポラリーアートセンターで『Time Sharing―隣り合わせの時間』が、2015年2月14日~3月14日まで東京・ギャラリーαMで『パランプセスト―重ね書きされた記憶/記憶の重ね書き』が開催予定。
関本さんがオーナーを務めるギャラリー「ターンアラウンド」では、11月4日から30日までグループ展『きたかぜとたいよう』が開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 関本欣哉 

    関本欣哉

    ギャラリー「ターンアラウンド」オーナー

    1975年宮城県仙台市生まれ。東京芸術専門学校(TSA)卒。90年代後半よりアート作品の制作、発表をはじめる。2010年より社会に繋がる表現の場として『ギャラリーターンアラウンド』を設立。2014年に行為・行動する表現を目的としたレーベル『ネオ・ノイジズム・オルガナイザーズ』を設立。建築デザインの仕事も手がけている。

  • 青野文昭 

    青野文昭

    現代美術家

    1968年仙台生まれ。主な展覧会に、「アートみやぎ」宮城県美術館、「崇高と労働展」板橋区美術館(ともに2000年)、「VOCA展」上野の森美術館(2001年)、「どくろ杯・Ⅱ―他者性と不可避性について―」ギャラリーターンアラウンド(2012年)「あいちトリエンナーレ2013―揺れる大地」(2013年)、主な個展にアラリオギャラリー、アラリオミュージアムDongmun Mote(ともに2014年/韓国)がある。