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佐藤純子

イラストレーター

菊地充洋

菊信紙工所
製本部 部長

仙台駅前の書店で働いていた頃に描いた日々の生活にまつわるマンガエッセイ『月刊佐藤純子』が人気を集め、現在はイラストレーターとして活動している佐藤純子さん。そんな佐藤さんがインタビューするのは、『月刊佐藤純子』のデザイン、印刷、製本を手がけた「製本部」の部長であり、有限会社 菊信紙工所で製本、紙加工などの仕事に励んでいる菊地充洋さん。本を接点につながりを持ったふたりの間で、果たしてどんな話が展開されるのでしょうか?

4. ものづくりに大切なことは何ですか?

菊地充洋 

歴史を理解した上で、いかにそれまでになかったアイデアやユーモアのようなものを足していけるかということを常日頃考えています。

Q.いまお話にあったように、菊地さんがつくる本たちは凄くパンクでカッコ良いですね。

菊地:音楽をやっている時もそうでしたが、僕が共通して大切にしていることは、ひとつ何かを加えるということなんですね。なにかをつくる人たちは、昔あったものをそのまま再現するだけでは仕方がないと思っています。そこに何かしら新しいものを注入し続けないと、人は見てくれなくなってしまうんじゃないかと。

『S-meme Vol.6』©Sendai School of Design 『S-meme Vol.6』©Sendai School of Design

Q.例えば、現代美術にはカッコ良いと思うものもあれば、よくわからないものもあるけど、製本部の本はパンクで新しいんだけど、同時に親しみが持てる感じもあって、そこが良いなと思います。どの本も決して奇をてらったものではなくて、誰もやっていなかったことなんだけど、長く愛せるようなものになっているんですよね。

菊地:本というのは親しみが持てますよね。本にしても、長い歴史とともにつくられてきた定型というものがあって、それはとても大事なものだと思います。僕自身古いものをなぞってみることは多くて、なぜそういう形になっていったのかを考えていくことはとても面白い作業なんです。でも、それをそのまま自分の表現してしまうのはちょっと違うし、あまり意味がないと思うんですね。そうした歴史を理解した上で、いかにそれまでになかったアイデアやユーモアのようなものを足していけるかということを常日頃考えています。

Q.菊地さんや製本部がつくるからこそ、こういう本ができ上がるということが大切なんですね。

菊地:そう思います。例えば、誰かから凄くカッコ良い名刺をもらった時に、それを分析して、こういう感じで組んでいけばいいのかと真似することはできますが、それでも絶対に全く同じようにはならないと思うんですね。そこがとても大事なところだと思っていて、音楽にしても、製本にしても、オシャレをする時にしても、常にそこを意識しているところがありますね。いまお話をしながら、そういう自分の傾向に初めて気づきました(笑)。<インタビュー終わり>

インフォメーション

佐藤純子さんの個展「空き地の空」が、11月1日〜30日まで目白・貝の小鳥で開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 佐藤純子 

    佐藤純子

    イラストレーター

    1978年生まれ。福島県出身。仙台市在住。フリーペーパー「月刊佐藤純子」不定期刊行。2011年『仙台文庫別冊月刊佐藤純子』発売(現在版元品切中)。月刊誌『PHPスペシャル』で「つれづれBOOK WORM」(コミックエッセイ)、ウェブマガジン「みんなのミシマガジン」で「女のひとり飯」(コミックエッセイ)、週刊誌『サンデー毎日』で「私的本屋賞」(書評・月一回)連載中。「マッチ箱マガジン」(佐々木印刷所)シリーズの松島編・白石編を担当、グッドデザイン賞受賞。

  • 菊地充洋 

    菊地充洋

    菊信紙工所
    製本部 部長

    なんとなくの本好きが集まってなんとなくグループとして活動し始め、どうぞどうぞの流れで『製本部』の部長になる。そんな状況ながら、人に恵まれてきたおかげで成果を上げることができている。製本部内では、部員がそれぞれ興味のある研究テーマを掲げ、有志でプロジェクト を結成し研究活動を行っている。 Studio KIKUSHINにてプリンター、ブックデザイナーとしても活動。