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佐藤純子

イラストレーター

菊地充洋

菊信紙工所
製本部 部長

仙台駅前の書店で働いていた頃に描いた日々の生活にまつわるマンガエッセイ『月刊佐藤純子』が人気を集め、現在はイラストレーターとして活動している佐藤純子さん。そんな佐藤さんがインタビューするのは、『月刊佐藤純子』のデザイン、印刷、製本を手がけた「製本部」の部長であり、有限会社 菊信紙工所で製本、紙加工などの仕事に励んでいる菊地充洋さん。本を接点につながりを持ったふたりの間で、果たしてどんな話が展開されるのでしょうか?

3. パンクバンドから何を学びましたか?

菊地充洋 

パンクの世界ではすべてD.I.Y.でつくるのが当たり前。自分たちもD.I.Y.でものづくりがしたいという思いが、いまの製本部の活動に反映されていると思います。

Q.噂によると、菊地さんはパンクバンドをやっていたそうですね。

菊地:もうやめてしまったんですけど、16年くらいバンドをやっていました。パンクというのは凄くコアな音楽なんですが、国内外にネットワークが広がっていて、当初は全国各地をまわってライブをしていました。アンダーグラウンドな音楽なので、国内では支持者も少ないんですが、世界各地にマニアがいて、自主レーベルの音源が世界中に流通しているような世界なんですね。インターネットも身近になってきた2000年以降は、海外からも評価されるようになり、海外からライブの依頼が来て、生まれて初めてアメリカにも行きました。その後は8年間くらいで10回ほどアメリカ各地でライブをしました。

佐瀬佳之『アタリマエノヨウニ』 佐瀬佳之『アタリマエノヨウニ』 『S-meme Vol.5』

Q.バンドの時の経験でいまの仕事にも活きていることはありますか?

菊地:パンクの世界では、レコードジャケットからライブのフライヤー、バンドのTシャツまですべてD.I.Y.でつくるのが当たり前なんですね。そこからさらに進んで、バンドメンバーでシェアハウスをして、野菜なんかを育てて自給自足をする人たちもいるんです。彼らはライブやレコードの売上で生計を立てているんですが、とても生活を楽しんでいるように見えました。そういう光景から学ぶことがたくさんあったし、自分たちもD.I.Y.でものづくりがしたいという思いが、いまの製本部の活動に反映されていると思います。

卸町倉庫『ハトの家』で行われたイベント。『S-meme Vol.6』のテーマ『演劇/ライブから考える』に関連付けて、イラストレーター・yossieTHRASHGRAPHICS氏の展示と合わせた共同企画として開催された。 卸町倉庫『ハトの家』で行われたイベント。『S-meme Vol.6』のテーマ『演劇/ライブから考える』に関連付けて、イラストレーター・yossieTHRASHGRAPHICS氏の展示と合わせた共同企画として開催された。

Q.パンクの人たちが丁寧にものづくりをしているというのはちょっと意外ですね(笑)。

菊地:みんながみんなそうというわけではないですけどね(笑)。アメリカでそういう光景を見て日本に帰ってくると、ここでは同じことは実現できないというジレンマを感じるようになりました。まずは環境をつくらないといけないと思ったんですが、その時に仙台という街では地方都市ならではの土地の広さを活かせるんじゃないかと感じたんですね。以前に卸町という場所でライブをしたことがあるんですが、ここは流通系の会社が集まっている場所で昼間はとても賑わっているんです。でも、夜になるとゴーストタウン化することが問題になっていたので、それなら音を出してもいいんじゃないかと。結局、バンドはやめてしまったんですが、音楽をしていなくてもパンクという考え方は体現できるし、製本部自体も凄くパンクっぽいんじゃないかなと思っています。

インフォメーション

佐藤純子さんの個展「空き地の空」が、11月1日〜30日まで目白・貝の小鳥で開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 佐藤純子 

    佐藤純子

    イラストレーター

    1978年生まれ。福島県出身。仙台市在住。フリーペーパー「月刊佐藤純子」不定期刊行。2011年『仙台文庫別冊月刊佐藤純子』発売(現在版元品切中)。月刊誌『PHPスペシャル』で「つれづれBOOK WORM」(コミックエッセイ)、ウェブマガジン「みんなのミシマガジン」で「女のひとり飯」(コミックエッセイ)、週刊誌『サンデー毎日』で「私的本屋賞」(書評・月一回)連載中。「マッチ箱マガジン」(佐々木印刷所)シリーズの松島編・白石編を担当、グッドデザイン賞受賞。

  • 菊地充洋 

    菊地充洋

    菊信紙工所
    製本部 部長

    なんとなくの本好きが集まってなんとなくグループとして活動し始め、どうぞどうぞの流れで『製本部』の部長になる。そんな状況ながら、人に恵まれてきたおかげで成果を上げることができている。製本部内では、部員がそれぞれ興味のある研究テーマを掲げ、有志でプロジェクト を結成し研究活動を行っている。 Studio KIKUSHINにてプリンター、ブックデザイナーとしても活動。