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松浦孝行

ローカルプランナー

高平大輔

映像ディレクター

今回インタビュアーを務めてくれるのは、旅行雑誌の編集、地域プロモーションのディレクションなどの仕事を経て、現在は宮城・仙台の伝統工芸の魅力を伝えるプロジェクト「手とてとテ」にプランナーとして携わっている松浦孝行さん。そんな松浦さんがインタビューするのは、仙台を拠点とする映像ディレクターとしてさまざまな作品を制作し、「手とてとテ」のディレクターも務める高平大輔さん。震災以降は、ドキュメンタリー映像の制作でも注目されている高平さんに、松浦さんが聞きたいこととは?

4. 今後どんな映像を撮りたいですか?

高平大輔 

南相馬がこういう状況になってしまったいまだからこそ、自分の原体験としっかり向き合ってみたいと思っています。

Q.もし予算的な制限などが一切なかったとしたら、どんな映像を撮ってみたいですか?

高平:僕が住み続けている仙台の音楽シーンをしっかり撮ってみたいですね。いま僕は地元の伝統工芸の魅力を伝える仕事をしていますが、30代も半ばに差し掛かり、音楽などのユースカルチャーからは結構遠のいてしまっているんです(笑)。「楽都仙台」と言われるように、この街には、ジャズからハードコア、ノイズ、ビジュアル系まで、掘り下げていくと色々な人たちがいると思うんですね。そういうカルチャーシーンを追いかけて、ヒリヒリしたいという気持ちもあるし、こうした活動が仙台の魅力の発信にもつながるんじゃないかなと。

Q.サイタマノラッパー」ではないですが、音楽シーンからはその地域の魅力や文化がよく伝わってきますよね。

高平:そうですね。あと、もうひとつ撮影してみたいのは、やはり僕の地元の南相馬ですね。子どもの頃から育ってきた街なんですが、もともと故郷が嫌いで仙台に出てきたところがあったんです。僕がいた南相馬の原ノ町というところは、映画館やデパートなども多く、とても栄えていたんですね。でも、他の地方自治体同様に、郊外に巨大なショッピングモールができたことで、商店街のシャッターがどんどん降りていきました。もちろん楽しかった頃の街の記憶もあるのですが、衰退していく商店街のど真ん中で育ち、地方独特の粘っこい人間関係などを見て、それが嫌で逃げるように仙台に出てきたんです。でも、南相馬がこういう状況になってしまったいまだからこそ、自分の原体験としっかり向き合ってみたいと思っています。

Q.失われてしまったものをアーカイブしていくことが、映像制作のモチベーションのひとつになっているのですか?

高平:たぶんそうだと思います。これまで喪失の経験を繰り返してきているところがあるし、最近取り組んでいる仕事にしても、失われつつある伝統工芸や自然に対して、少しでも歯止めになれればという思いで積極的に関わっているところがあります。例えば、先に紹介した松島の「海の盆」は、日本の祭りの原風景であると同時に、僕にとっては南相馬の商店街の原風景を思い出させてくれるものなんですね。こうしたものを自分なりのやり方で撮影し、喪失に向かうエネルギーに対抗できるようなものを、映像という形で投げかけていきたいと思っています。<インタビュー終わり>

インフォメーション

高平さんが監督を担当した 「トラフ建築設計事務所+ 石巻工房」のドキュメンタリー映像が、2014年11月1日から2015年5月10日まで金沢21世紀美術館で開催される「ジャパン・アーキテクツ 3.11以後の建築」にて上映予定。

もっと知りたい人は…

  • 松浦孝行 

    松浦孝行

    ローカルプランナー

    大手出版社を独立後、フリーランスで旅行雑誌の編集、旅館ホテルのプロモーションなどを中心に活動。震災を機に、ローカルをドメインにしたワークスタイルに移行。東北の田舎良品PRサイト「田舎郡東北村」、TOHOKU新聞バッグプロジェクト、伝統芸能による集落活性プロジェクト、仙台・宮城の中小企業商品開発プロジェクトなどをサポート。現在は仙台・宮城の伝統工芸品PRサイト「手とてとテ」のイベントプランニングを担当。

  • 高平大輔 

    高平大輔

    映像ディレクター

    福島県南相馬市出身、仙台市在住。WOW(仙台)を経て、東北のCMや地域のPRプロジェクトを中心に活動中。代表作は、環境省コミュニケーション大賞「仙台市ごみ減量大作戦 ワケルくん」、 「手とてとテ ー仙台・宮城の手しごとたちー」、 渡り鳥と人間の共存を描いた「蕪栗沼ふゆみずたんぼプロジェクト」など。個人的作品として被災地の夜明けを撮影した「Tomorrow at Daybreak」や、「ジョルジュ・ルース アートプロジェクト」の映像を制作。 故郷の映画館「朝日座」を応援中。