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堀田裕介

料理研究家

小泉伸吾

農家

インタビュアーを務めてくれる堀田裕介さんは、「食べることは生きること 生きることは暮らすこと」をモットーに、日本全国を飛び回りながら、生産者と消費者を繋ぐ食の活動に取り組んでいる料理研究家。そんな堀田さんが今回インタビューするのは、大阪と京都の中間にある大山崎で20年間農家を続け、さらにバンド「pug27」のメンバーとしても活動している小泉伸吾さん。これまでも食をテーマにしたイベントなどで何度に仕事をしてきたふたりが、これからの農業や働き方などついて、さまざまな意見を交わしました。

3. 農家に求められる役割は何ですか?

小泉伸吾 

作る工程や販売のことも意識しながら、食べることに対する人々の意識を少しだけ引っ張り上げるような提案をしていく役割があると思ってる。

Q.農家として自分が作りたいものと、求められる作物にギャップってありますか?

小泉:ある時はあるよ。例えば、農協とかに野菜を卸す時は大きさとかの規約があって、農家にとってはそれが「求められる作物」ということなんだけど、実際に色んなお店に食べに行ったりしてると、そんな大きいのいらないよなって(笑)。その辺のギャップは実際に自分が外に食べに行ってないとわからへんし、それがわからない農家からしたら「そんな小さい大根どうすんねん」と思うようなものも、お店からは求められていたりする。農協の朝市にくるようなおじいちゃんおばあちゃんと、色んなお店に食べに行っている人たちは当然生活スタイルもちゃうし、提案の仕方も変わってくるはず。お店とかで食べられることまでをイメージして作っている農家さんは意外に多くないんだよね。

大阪と京都の中間、大山崎にある小泉さんの農場。 大阪と京都の中間、大山崎にある小泉さんの農場。

Q.仕事柄色んな農家さんと交流する機会が多いんですけど、明らかに感じるのは農家の役割が変わってきているということ。昔は外から見えないところで野菜を作って、それを農協に出荷さえすればいいとされていたけど、いまは価格も安定しないし、なかなか食べていけない農家も増えていて、自分たちで販売もし始めていたりする。伸吾さんはずっと農家としてやってきたなかで、これからの農家の役割として見えてきたものはありますか?

小泉:昔の農家は作りさえすればそれでいいという職人的な感じだったけど、これからの世代は、作る工程や販売のことも意識しながら、食べることに対する人々の意識を少しだけ引っ張り上げるような提案をしていく役割があると思ってる。うちも一時期野菜のネット販売を考えたことがあったけど、結局アナログで販売することにしたのね。実際に会って野菜の説明をした上で販売すると、例えば一人暮らしの人だったら自炊をせざるを得なくなるだろうし、そこから少しでも環境や意識が変わっていったらうれしいなと。

デザインイベント「DESIGNEAST」で堀田さんが手がけた「Fantastic Table」。ワークショップ感覚で来場者がサンドイッチを作ることができる。

Q.野菜に興味はあるけど、誰が作ったのが安心で美味しいのかってなかなかわからないから、結局有名な農家をネットで調べて買うくらいしかできない。でも、有名無名関係なく、知り合いが作っている野菜だったら買い続けたくなるだろうし、伸吾さんのような役割を持った人がもっと街に出てきて、接点がなかった人たちと出会うことで、その人たちの人生も変わっていくかもしれないですよね。例えば、伸吾さんのバンドを見に来た人たちが、そこでいままで知らなかった食と出会うこともあるだろうし、そういうギャップみたいな部分を上手いことつないでいく方法を考えていくことも大切になってくるのかなと。

小泉:そうやね。いまはどうしてもイベント的なことが多くなっているけど、今後はもう少しじっくり根付いていけるようなこともしていきたい。直接農家が街に出て行くのもいいけど、街中に良い八百屋さんがもっと出てきて、生活や環境に根付いたお店になったらいいと思う。実際に最近は若い人がやる八百屋もよく見るし、そういうものがどんどん増えていってほしいね。

インフォメーション

小泉さんのバンドpug27企画のライブパーティ「BIRD WATCHING」が、7月28日に梅田・NOON+CAFEにて開催される。ライブはもちろん、美味しいフードブースの出店も予定されている。

もっと知りたい人は…

  • 堀田裕介 

    堀田裕介

    料理研究家

    1977年、大阪府生まれ。「食べることは生きること 生きることは暮らすこと」をモットーに都市と農村地域の架け橋として、 生産者と生活者を繋ぐ料理研究家。survivalからentertainmentまで、命と絆をつなぐ食のムーブメントを展開すると共に、 風土とfoodを融合させた食のモザイクアート「foodscape!」を通して食べることへと人々を誘うノマド料理人。

  • 小泉伸吾 

    小泉伸吾

    農家

    大阪・アメ村の洋服屋で働いた後、結婚を期に京都・大山崎で減農薬の野菜や米を作り始める。オリジナル肥料によって作られた食材は、さまざまなレストランなどで扱われ、さらに個人宅配やイベント開催なども積極的に行いながら、新たな食材、農家のあり方を提案している。また、バンド「pub27」にサックスプレイヤーとして参加している。