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渡邉格、麻里子

パン屋「タルマーリー」

吉田全作

酪農家
吉田牧場

渡邉 格麻里子さん夫妻が営む「タルマーリー」は、今年の2月に岡山県真庭市にオープンした自家製天然酵母&国産小麦のパン屋さん。昨年まで千葉県いすみ市で開いていたお店をたたみ、震災を機に岡山にお店ごと移住してきたおふたりがインタビューするのは、家族4人で自家製チーズを生産し、全国各地の有名レストランなどに販売している吉田牧場の吉田全作さん。吉田さんの本を読んで以来、いつかはお会いしてみたいと思っていたというおふたりと一緒に、岡山県吉備中央町にある吉田牧場さんを訪ねてきました。

4. 従業員とはどう接すればいいですか?

吉田全作 

やっぱり従業員には厳しくした方がいいと思いますよ。やっぱり何でも面白がれるヤツじゃないとダメだし、自分が何も知らないという前提で来ている人は、シェフの動きを指先まで何も言わずに見ているものなんですよね。

Q.いま悩んでいることでもあるんですけど、以前同じ時期に従業員が一気に辞めてしまったことがあったりして、従業員との接し方というのをスゴく考えるんです。夢を持って関東から来る若い人たちもいるんですが、フワフワしていて自分探し的な人が多いんです。

吉田:そういうヤツは昔からいますよ。見たらだいたいわかるけど、そういう人は自分のことばっかり喋りますよね。人に興味があるというよりも自分に興味があるんですよね。別にお前の話を聞きたいわけじゃないから、さっさと仕事してよって(笑)。誰にでも自分を認めてもらいたいという気持ちがあるから、その現れなんだと思うけど、やたら自分のことばかり喋る。それは田舎にひとりでくる人に限ったことではなくて、料理人なんかにも多いみたいですよ。入ったばかりのヤツが皿洗いをしながら「いつ包丁握らせてくれるんですか?」とか「シェフ、それはこうやった方がいいんじゃないですか?」って平気で言うらしい(笑)。どの業界も一緒で、カメラマンでもアシスタントが1年くらいで「全部わかった」と言って独立しちゃうんですって。「オレでもまだわからないのに、何がわかったのかな?」と言ってましたよ (笑)。それはいまも昔も同じなんですよね。

Q.日々の仕事を淡々と続けるなかで成功も失敗もあるということを伝えたいんですけど、なかなかわかってくれないですよね。

吉田:やっぱり何でも面白がれるヤツじゃないとダメですよ。自分が何も知らないという前提で、教わろうと思って来ている人は、シェフの動きを指先まで何も言わずに見ているものなんですよね。逆にオレがオレがっていうヤツは何でも知っていると思って来ているから、そういうものが見えない。とりあえず真似をしてみて、それを自分の中で消化した上で、こうした方がいいんじゃないかと提案できる時期は来ると思うけど、入っていきなりそんなことをしたら、シェフに熱いフライパンを押し付けられますよね(笑)。やっぱり従業員には厳しくした方がいいと思いますよ。

Q.最後に、これから吉田さんがやってみたいと思っていることを教えて下さい。

吉田:息子がフランスから帰ってきて、55歳くらいになったら定年しようと思っていたけど、今年57なのに未だにできていないんです。息子もまだ30で牛のことをよくわかっていないし、引退はなかなかできないと思うんですが、なるべく早く息子に委譲して、前から興味があった世界中の乳製品を見て回りたいんです。いまはそのための時間が一番ほしいし、それを身体が動くまでライフワークとしてやっていきたいなと思っています。<インタビュー終わり>

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  • 渡邉格、麻里子 

    渡邉格、麻里子

    パン屋「タルマーリー」

    「パンを作れば作るほど、社会と環境が良くなっていく」経営が目標。自家製酵母のみを使用し、自然栽培素材と天然菌によるパンを製造。酒種、レーズン酵母、全粒粉酵母、サワー種という4種の酵母を使い分け、柔らかいパンからかたいパンまで、幅広い味と食感のパンを提供している。震災後、千葉県から、江戸時代の美しい町並みが残る岡山県勝山へ移転。古い町屋を改装したパン屋には、イートインカフェも併設されている。

  • 吉田全作 

    吉田全作

    酪農家
    吉田牧場

    1955年岡山県生まれ。'79年北海道大学農学部畜産学科卒業後、5年間のサラリーマン生活を経て、'84年に岡山県・吉備高原にて酪農業を開業。'88年、念願のチーズ作りを始める。土地に根ざし牛を放牧し、餌や牧草にこだわり、おいしい乳を搾り、家族のみで手作りチーズを生産し続ける。その誠実で妥協なき味わいには全国にファンが多い。