インタビューアーにスポットを当てる新感覚インタビューサイト

RSS

Qonversations Twitter

QONVERSATIONS > TRIP > okayama

軸原ヨウスケ

グラフィック・デザイナー
cochae

能勢 伊勢雄

「PEPPERLAND」主宰

去る10月15日、岡山のcafe moyauさんをお借りして開催した公開取材イベント「QONVERSATIONS TRIP OKAYAMA」。岡山に移住もしくはUターンされた方がインタビュアーとなり、岡山で長く活動してきた方々にインタビューするというテーマのもと開催されたイベントのダイジェスト版をお届けします。
公開取材イベントのトリを飾る「SESSION3」では、故郷である岡山に昨年Uターンされたグラフィック・デザイナー、軸原ヨウスケさんが、70年代にライブハウス「ペパーランド」を岡山に設立し、新しい表現者たちに門戸を開放する傍ら、ご自身の映像や写真作品、文筆活動なども精力的に行なってきた重鎮・能勢 伊勢雄さんにインタビューをしてくれました。

4. 風営法についてはどう思いますか?

能勢 伊勢雄 

すでに大阪なんかはダンスができなくなってきていますよね。ところが、学校の授業でヒップホップを教えようという話がある。これは一体何なんだ? ということですよね。

会場からの質問.お店のアナーキー性という話が出ましたが、現在の風営法の問題についてはどう考えられていますか?

能勢:すでに大阪なんかはダンスができなくなってきていますよね。ところが、学校の授業でヒップホップを教えようという話がある。これは一体何なんだ? ということですよね。本来踊るということは教えられるものであってはいけない。色んな音楽や環境に触れるなかで、初めて人間が自発的に踊ることの意味を発見するわけじゃないですか。だから、授業で踊りたくない子にまでブレイクダンスを踊れというのは無茶な話ですよね。

ペパーランドでのイベントの模様。 ペパーランドでのイベントの模様。

会場.そのなかで幸いにも岡山はまだ平穏にクラブ営業がされていますが、今後どうなっていくのか、そして私たちはどうしていけばいいと思いますか?

能勢:例えば、大阪などではある地域に歓楽街を集めて、そこを特区にしようという動きがありますよね。東京でも特区でカジノ運営をするということを都が考えていて、それ以外のエリアのクラブやキャバレーなどは全部指導の対象にしようという考え方ですが、おかしな話ですよね。ヨーロッパでもクリミナルジャスティス法案が制定されてからはレイブや大規模なダンスというのはすべてブレーキがかかっている状態なんですね。それに抵抗するカタチで、T.A.Z.(=The Temporary Autonomous Zone)という動きが始まっているんです。日本語にすると、「一時的に自律したエリア」という意味なんですが、こういう形でレイブなりコンサートなりを続けていくというのはひとつの方法です。ヨーロッパでは、T.A.Z.のような動きを作ってメディア化することで、「一定の場所でできなくてもやれるんだ」という考え方が芽生えてきていましたね。

Q. 東東京などでは屠殺所の跡地をみんなで借りて、ひとつのメディアとして使っている事例なんかもあるみたいですね。

能勢:そのようなT.A.Z.的な動きが分散化され、これまでに、キッチンパーティなどが生まれてきました。キッチンパーティみたいなことは、大箱ではなかなか機能しにくいですが、ひとつはそういうゲリラ的な方向がありますよね。要は、営業権を持ってひとつの場所を使うとなると取り締まり対象になるんですが、一般的な貸しスペースだったら風営法にはかかりませんからね。また、大阪にあるもともとキャバレーだったクラブ「ユニバース」という所では、風営法の基準に引っかかる23時の直前に切り上げるパーティが毎週開かれていて、クラバーたちも頭を切り替えているんですね。そういうやり方もあるんじゃないですかね。音楽というのは、人間が持っている最も基本的なものだから、それが消えてなくなることは絶対にない。どんな壁が作られてもずっと音楽は生き延びると思うんですが、重要なのはそれに関わる人たちがもっと利口になること。いま音楽のフロントラインで何が起きているのかということを常に意識して、エッジを見ていくことも大切だと思いますね。例えば最近だと、EDM(ERECTRONIC DANCE MUSIC)という新しい音楽のムーブメントが生まれつつあって、ダンスミュージック中心だった「セカンド・サマー・オブ・ラブ」以来の、EDMを中心にした「サード・サマー・オブ・ラブ」として、バンドサウンドも取り込みながら一気に広がっていく可能性もある。音楽というのは我々の感覚を拓いてくれるものです。いまのDJたちが創り上げようとしているものをしっかり見てほしいなと思います。<インタビュー終わり>

インフォメーション

軸原さんが手がけた「トントン紙ずもう」がKOKUYOから発売中。また、とらや東京ミッドタウン店内ギャラリーで開催中の「こけしと出会う」展に企画協力、こけしの選定や物販なども行っている。12月7日18時からは、虎屋菓寮 東京ミッドタウン店にて開催されるトークイベント『こけしと出会いましょう』に野地三起子さん、甲斐みのりさんとともに出演予定。

もっと知りたい人は…

  • 軸原ヨウスケ 

    軸原ヨウスケ

    グラフィック・デザイナー
    cochae

    武田美貴とのグラフィックユニットcochaeのメンバー。 「遊びのデザイン」をテーマに、紙のパズル、グラフィック折り紙、新しい視点を持った玩具の開発等、幅広い創作活動を行っている。 著書に「折りCA」シリーズ、「kokeshi book」(ともに青幻舎)、「武井武雄のこけし」(PIE international)など。 2012年よりパウロ野中(浅草橋天才算数塾)と伝統こけし普及ユニット「コゲスンボコ社」結成。 東北のこけしとBEAMSや虎屋などのタイアップでオリジナルデザインのこけしを手がける。

  • 能勢 伊勢雄 

    能勢 伊勢雄

    「PEPPERLAND」主宰

    1947年生まれ。60年代後半から岡山を中心にエキスパンデッド・シネマの上映会を精力的に開催しながら、日本アンダーグラウンド・センター(現:イメージフォーラム)のかわなか・のぶひろ氏らと交流。その後も多数の映像や写真作品、執筆、美術展企画などを手がけ、2004年には、多岐に渡る活動の全貌を紹介する展覧会『スペクタル能勢伊勢雄1968-2004』が開催された。また、1974年にオープンさせた「ペパーランド」は、岡山のライブハウスのロールモデルとなり、現在まで一貫して新しい表現者たちに門戸を開放している。2010年には、「美学校岡山校」を立ち上げ、校長並びに教程の全般を教導している。