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軸原ヨウスケ

グラフィック・デザイナー
cochae

能勢 伊勢雄

「PEPPERLAND」主宰

去る10月15日、岡山のcafe moyauさんをお借りして開催した公開取材イベント「QONVERSATIONS TRIP OKAYAMA」。岡山に移住もしくはUターンされた方がインタビュアーとなり、岡山で長く活動してきた方々にインタビューするというテーマのもと開催されたイベントのダイジェスト版をお届けします。
公開取材イベントのトリを飾る「SESSION3」では、故郷である岡山に昨年Uターンされたグラフィック・デザイナー、軸原ヨウスケさんが、70年代にライブハウス「ペパーランド」を岡山に設立し、新しい表現者たちに門戸を開放する傍ら、ご自身の映像や写真作品、文筆活動なども精力的に行なってきた重鎮・能勢 伊勢雄さんにインタビューをしてくれました。

2. ライブハウスに求められる機能は何ですか?

能勢 伊勢雄 

ライブハウスを音楽を演奏する箱と捉えるのではなく、メディア化ということを考えていく。次の時代を予感させるスペクタクルでエッジな音楽は常に現れてきます。それを店側が受け入れられるかどうかが重要なんです。

Q.開店当時のペパーランドはどんな雰囲気だったのですか?

能勢:現在のペパーランドは、鉄筋が丸裸で見えているような造りになっていますが、開店したのは74年のフォーク全盛期でしたので、カントリー調のウッディな内装でスタートしました。当時は、昼間は喫茶店のように席があって、夜はライブをするという感じでしたが、ライブの途中でもオーダーがあればそれを普通に受けていましたね。

ペパーランドでのイベントの模様。 ペパーランドでのイベントの模様。

Q.70~80年代に東京の青山に「パイドパイパーハウス」というレコード屋さんがあって、初代オーナーの岩永(正敏)さんと親しくなったのですが、そこはレコード屋でありながら、喫茶機能もあって、細野晴臣さんや山下達郎さんなんかが来ていて、そこからひとつの文化が興っていったという話を聞いたのですが、それに近い感じかもしれないですね。

能勢:「パイドパイパーハウス」にしてもそうだし、最近代官山にできた蔦屋書店なんかもカフェが併設されているのは、結局お店というものをメディア化したいわけです。ライブハウスの場合にもそれが重要なんですね。例えば、音楽というのは時代に応じてどんどん傾向が変わっていくわけですが、次の時代を予感させるスペクタクルでエッジなものが常に現れてくるものなんです。それを店側が受け入れられるかどうかが重要で、ライブハウス自体をメディア化していけるかということにも関わっているんですね。ライブハウスをただの音楽を演奏する箱と捉えるのではなく、メディア化ということを考えていく。その時に、1920年代から30年代のヨーロッパのカフェ文化が大事になってきます。現在のカフェは、最近のライブハウスと同様に喫茶店営業に特化することで、メディアとしての機能を閉じてしまったのは残念なことだと思っています。

Q.ジョナス・メカスの上映なども含め、ペパーランドというのは世界的に見て稀なほどエッジーな場所になっていったと思うんですが、それを商業的に30年以上成り立たせてきたということが本当にスゴいですよね。

能勢:いまもそうですけど、スタンディングだと二階席も含め200人くらい、イスを置いた状態で60人くらいがちょうどいい広さのスペースなんですね。例えば、いま東京でメカスの上映会をやっても、おそらく集客は100人いくかいかないかくらいです。そういう催しを1,000人入る場所でやっていこうとしたら、維持をしていく上でどうしても経済的な面を考えないと無理になる。ところがそれが60人くらいだったら全然問題ないんですよ。ちなみに、ペパーランドを立ち上げた時は、店名に「アンダーグラウンド」という言葉を入れていて、次のメジャーを用意するスペクタクルな芽を育てるという視点でスタートしています。

インフォメーション

軸原さんが手がけた「トントン紙ずもう」がKOKUYOから発売中。また、とらや東京ミッドタウン店内ギャラリーで開催中の「こけしと出会う」展に企画協力、こけしの選定や物販なども行っている。12月7日18時からは、虎屋菓寮 東京ミッドタウン店にて開催されるトークイベント『こけしと出会いましょう』に野地三起子さん、甲斐みのりさんとともに出演予定。

もっと知りたい人は…

  • 軸原ヨウスケ 

    軸原ヨウスケ

    グラフィック・デザイナー
    cochae

    武田美貴とのグラフィックユニットcochaeのメンバー。 「遊びのデザイン」をテーマに、紙のパズル、グラフィック折り紙、新しい視点を持った玩具の開発等、幅広い創作活動を行っている。 著書に「折りCA」シリーズ、「kokeshi book」(ともに青幻舎)、「武井武雄のこけし」(PIE international)など。 2012年よりパウロ野中(浅草橋天才算数塾)と伝統こけし普及ユニット「コゲスンボコ社」結成。 東北のこけしとBEAMSや虎屋などのタイアップでオリジナルデザインのこけしを手がける。

  • 能勢 伊勢雄 

    能勢 伊勢雄

    「PEPPERLAND」主宰

    1947年生まれ。60年代後半から岡山を中心にエキスパンデッド・シネマの上映会を精力的に開催しながら、日本アンダーグラウンド・センター(現:イメージフォーラム)のかわなか・のぶひろ氏らと交流。その後も多数の映像や写真作品、執筆、美術展企画などを手がけ、2004年には、多岐に渡る活動の全貌を紹介する展覧会『スペクタル能勢伊勢雄1968-2004』が開催された。また、1974年にオープンさせた「ペパーランド」は、岡山のライブハウスのロールモデルとなり、現在まで一貫して新しい表現者たちに門戸を開放している。2010年には、「美学校岡山校」を立ち上げ、校長並びに教程の全般を教導している。