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吉村紘一

クリエイティブ・ディレクター
ウサギノネドコ

杉山 早陽子

和菓子作家

京都に雑貨店と宿「ウサギノネドコ」を立ち上げ、博物館の文脈をアート/プロダクトの文脈に持ち込むことを生業としている吉村紘一さんが、和菓子創作ユニット「日菓」などの活動を通して、現代における美しくおいしい菓子を模索している杉山 早陽子さんに、「もてなし」をテーマにインタビューを行ったQONVERSATIONS TRIP KYOTO Day5。最近は、自然の色や形を活かした新しいお菓子や、お菓子本来のあり方を考える実験工房「御菓子丸」の活動もスタートさせるなど、吉村さんと共通するテーマにも興味を持つ杉山さんが、その活動内容や背景にある思いなどについて語ってくれました。

4. いま興味があることは何ですか?

杉山 早陽子 

自然がつくる造形美に衝撃を受け、鉱物が好きになりました。ここには一体何があるんだろうということが気になっていて、それを自分自身が学んでみたいという思いが強いんです。

Q.日菓の活動と並行して、御菓子丸という言わば杉山さんのソロ活動も始められましたよね。日菓とはどういう住み分けや違いがあるのですか?

杉山:最近、鉱物が好きになってしまって、自分で採りに行ったりしているんですね。例えば、ウサギノネドコさんにも置かれている黄鉄鉱という鉱物はキューブ型をしていて、自然物というよりは彫刻作品のように見えるんです。こういう自然がつくる造形美に衝撃を受けると同時に、人間もはじめは自然の形を真似て、モノをつくってきたんだろうなと感じたんですね。日菓の場合は日常の生活をテーマにしているので、人工物のモチーフも出てくるのですが、御菓子丸ではもっと原始的なところに立ち返り、自然から学ぶということをしてみたくて、実験工房的にコソコソ始めました (笑)。ここには一体何があるんだろうということがとても気になっていて、それを自分自身が学んでみたいという思いが強いんです。

御菓子丸「鉱物の実」 「明倫茶会 和菓子の始まり」 Photo: Ryouichi Morikawa 吉村さんが手がける植物の造形美をテーマにしたオリジナルプロダクト「宙 -sola-」。

Q.「自然を人工で表現する」ということが最近の興味領域なんですね。

杉山:そうですね。ただ、あまりに壮大過ぎてなかなか手に負えません(笑)。いままで私がしてきたことには、何かしらオチや着地点があったのですが、鉱物などを見て衝撃を受けたり、美しいと思う気持ちの正体が自分でも説明ができないところがあって、とにかくそこが気になってしかたないんです(笑)。また、先ほど吉村さんにもご紹介して頂いた「明倫茶会 和菓子のはじまり」という催しが、木の実や果物がお菓子の始まりなのではないかという話や、まだ砂糖が使われていなかった時代のことなど、お菓子の原初的な歴史を見返すきっかけになったんですね。それによって改めてそこから変化を遂げた現代のお菓子というものを見つめ返すことができたのですが、一度原点に戻ることで新しいお菓子の味やあり方というものが考えられるかもしれないという思いもあります。

「ウニ花」

Q.ウサギノネドコで開催される『ウニ展』では、世界中のウニを展示・販売するのですが、7月21日には杉山さんにお茶会も開催して頂く予定で(※すでにイベントは終了しました。)、いままさにそのための和菓子をつくって頂いている段階なんですよね。

杉山:はい。ウニの骨格が五角形になっているということを聞き、「五角形の小宇宙」というテーマにお茶会をさせて頂くことにしました。和菓子の世界でも桜の花びらなど五等分にするケースが多いんですね。そこで、ウニと花の共通点である「5」というものをキーワードにしつつ、ウニにも花にも見えるような「ウニ花」という名前のお菓子をつくっているところです。御菓子丸にしてもそうなのですが、自然物を完全にコピーするのではなく、何かしらのエッセンスを加えながら、自然に存在する新しい生き物のようなものがつくれたらいいなと思っているんです。<インタビュー終わり>

インフォメーション

世界中の100種類近くの標本を集めたウニづくしの展示会『ウニ展』が、8月31日までウサギノネドコで開催中。
8月2日から17日まで滋賀県長浜市・季の雲で開催される市川孝さんの展覧会『旅する茶ゴト うつわゴト』会期中の8月2・3日に、杉山さんが干菓子を出すお茶会が開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 吉村紘一 

    吉村紘一

    クリエイティブ・ディレクター
    ウサギノネドコ

    「自然の造形美を伝える」をテーマに、活動するクリエイティブディレクター。博物館の文脈を、アート/プロダクトの文脈に持ち込むことを生業にしている。広告会社でのマーケッター、コピーライターを経て、 2011年3月に独立。生まれ故郷の京都に雑貨店と宿「ウサギノネドコ」を立ち上げ、現在に至る。

  • 杉山 早陽子 

    杉山 早陽子

    和菓子作家

    時代に合わせて変化してきた日本の菓子を学び俯瞰しながら、現代において美しくおいしい菓子とは何か、考える和菓子作家。くすっと笑える和菓子を作る「日菓」、自然の色や形を生かしながら菓子に表現する「御菓子丸」として活動中。