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吉村紘一

クリエイティブ・ディレクター
ウサギノネドコ

杉山 早陽子

和菓子作家

京都に雑貨店と宿「ウサギノネドコ」を立ち上げ、博物館の文脈をアート/プロダクトの文脈に持ち込むことを生業としている吉村紘一さんが、和菓子創作ユニット「日菓」などの活動を通して、現代における美しくおいしい菓子を模索している杉山 早陽子さんに、「もてなし」をテーマにインタビューを行ったQONVERSATIONS TRIP KYOTO Day5。最近は、自然の色や形を活かした新しいお菓子や、お菓子本来のあり方を考える実験工房「御菓子丸」の活動もスタートさせるなど、吉村さんと共通するテーマにも興味を持つ杉山さんが、その活動内容や背景にある思いなどについて語ってくれました。

3. どうやってアイデアを考えるのですか?

杉山 早陽子 

何かを考えようと思って考えるというよりも、常に色んな物事を俯瞰しているなかでアイデアが生まれてくるケースが多いです。

Q.つくられる和菓子のアイデアはどのように考えているのですか?

杉山:何かを考えようと思って考えるというよりも、常に色んな物事を俯瞰しているなかでアイデアが生まれてくるケースが多いです。移動中などに思いつくことが多いので、いつもメモ帳を持ち歩いていて、何か思いついたらそこに書きつけるようにしています。例えば、以前に月をテーマにした和菓子をつくる機会があったのですが、京菓子で「月」と言うと、雲が雅にたなびいているようなイメージを思い浮かべそうですが、私たちが考えたのは、月に行った宇宙船「アポロ」をヒントにできないかということでした。そこから、星条旗が刺さっていたら面白そうとか、和菓子とは関係のないことも考えたりしながら色々スケッチをしていき、最終的には人類の月面着陸第一歩を表現した足跡をつけた和菓子をつくりました。

日菓「アポロ」 Photo: Kenshu Shintsubo

Q.日菓さんの作品は、シンプルに要素を削ぎ落して、その中にポンと一輪の花のようにアイデアが添えられているというイメージがあります。

杉山:例えば、同じようなものを紙粘土でつくることもできるわけですが、食べ物で表現することの面白さというのは、それをいかに美味しそうに見せられるかというところなんですね。そうするためには要素を付け加えていくよりも、シンプルにしていった方がいいんです。また、タイトルも非常に大切で、もしこのお菓子に「アポロ」というタイトルがついていなければ、これが足跡だということもわからないでしょうし、そうすると物語が成立しません。だから、タイトルと同時にお菓子のアイデアが閃くということは多いし、どこかで腑に落ちる瞬間というのが訪れるんです。

会場では杉山さんのアイデアスケッチも見せて頂きました! 取材の途中には、来場者の方たちも参加した簡単なワークショップも。 取材の途中には、来場者の方たちも参加した簡単なワークショップも。

Q.タイトルの付け方に気が利いているというか、最後に鮮やかに判子が押される感じがしますよね。新しい和菓子をつくっていくにあたって、杉山さんが大切にされている根幹の部分を教えて下さい。

杉山:京菓子というと花鳥風月しか語られないようなところがありますが、私たちはもう少し身近にある日常の風景などからテーマを引っ張りだして和菓子にしたいと考えています。私たちの裏テーマとして、和菓子というものをもっと若い人たちにも知ってもらい、楽しんでほしいという思いがあります。和菓子屋というのは、のれんがかかっていて奥が見えないことも多いのですが、私たちがそののれんをちょっと開けてあげて、「中はこんな感じです」と紹介してあげられるような玄関口的な役割を果たせたらと思っています。

インフォメーション

世界中の100種類近くの標本を集めたウニづくしの展示会『ウニ展』が、8月31日までウサギノネドコで開催中。
8月2日から17日まで滋賀県長浜市・季の雲で開催される市川孝さんの展覧会『旅する茶ゴト うつわゴト』会期中の8月2・3日に、杉山さんが干菓子を出すお茶会が開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 吉村紘一 

    吉村紘一

    クリエイティブ・ディレクター
    ウサギノネドコ

    「自然の造形美を伝える」をテーマに、活動するクリエイティブディレクター。博物館の文脈を、アート/プロダクトの文脈に持ち込むことを生業にしている。広告会社でのマーケッター、コピーライターを経て、 2011年3月に独立。生まれ故郷の京都に雑貨店と宿「ウサギノネドコ」を立ち上げ、現在に至る。

  • 杉山 早陽子 

    杉山 早陽子

    和菓子作家

    時代に合わせて変化してきた日本の菓子を学び俯瞰しながら、現代において美しくおいしい菓子とは何か、考える和菓子作家。くすっと笑える和菓子を作る「日菓」、自然の色や形を生かしながら菓子に表現する「御菓子丸」として活動中。