インタビューアーにスポットを当てる新感覚インタビューサイト

RSS

Qonversations Twitter

鈴木 心

写真家

ハリス鈴木絵美

「Change.org」キャンペーン・ディレクター

今回のインタビュアーは、写真展や作品集の制作から、広告や雑誌などさまざまな媒体での仕事まで精力的な活動を続けている写真家の鈴木心さん。そんな鈴木さんがインタビュー相手に選んだのは、全世界196カ国にユーザーを持つ世界最大の署名プラットフォーム「Change.org」の日本におけるキャンペーンディレクター、ハリス鈴木絵美さん。アメリカ在住時にバラク・オバマ氏の大統領選挙に関わった経験を持ち、テレビなどさまざまなメディアで目にする機会も増えている絵美さんに、東日本大震災以降、故郷の福島・郡山市での活動も展開している鈴木心さんが、文字通り「CHANGE」をテーマに話を聞きました。

3. どんなサイトにしていきたいですか?

ハリス鈴木絵美 

自分が何か凄く困ったり、やりきれない気持ちになった時に、「Change.org」というサイトにアップしておいた方がいいよねと思ってもらうところまで持ち込めたらなと。

Q.今後「Change.org」を日本で広げていく上では、「これがあれば変えられる」とか「もっとつながっていける」という実感が持てるプラットフォームとして認識されていくことが大切になってきそうですね。

絵美:重要なのは、ユーザーが自分でもできると思えることなんですよね。だから、サイトの中でも普通の人が主人公だということをアピールするようなストーリーテリングを意識しています。成功したキャンペーンを立てた人も普通の人たちなんだというストーリーをメーリングリストなどで紹介しながら、自分にもできるかなと思わせることが大事だなと。何がきっかけになるかはこちらで決められるわけではないですが、その中でもなるべくキュレーションかけて、誰もが参加できるような場所にするということは心がけています。日本人の大半は裕福で生活には困っていませんが、何か事件が起きた時にチェンジできるという潜在的な思いを育てることが重要で、自分が何か凄く困ったり、やりきれない気持ちになった時に、「Change.org」というサイトがあって、一応ここにアップしておいた方がいいよねと思ってもらうところまで持ち込めたらなと。

Q.今後色んな人たちが連結していくハブになっていくと思うし、より大きな流れになっていくことを期待するばかりです。いま選挙には何も期待できない状況ですが、「Change.org」には、そんな選挙の一票よりも有効なものになってほしいですね。

絵美:なるべく多くの人が勝手に社会変革できるようになればいいなと。それはひとつの団体だけで解決できることではないから、Wikipediaのようにみんなでやっていけばいいという発想です。そのためにも原点になるユーザー数を増やすというところに力を入れて、なるべくキャンペーンを成功できるようにしていくことが私たちの仕事かなと考えています。

鈴木心さんが行った母校での特別授業。 鈴木心さんの地元・福島テレビによる音楽イベントにて。 奈良で行った鈴木心さんの展覧会。

Q.サイトを運営して、広めていくためにはある程度コストもかかってきますよね。選挙などにしても、自分がやりたいことを掲げた後は運転資金が必要になってくるわけですが、「Change.org」は現在どんな運営体制になっているんですか?

絵美:現在はビジネスとして回っている国が3,4ヶ国あって、そこで調達した資金を他の国の運営に投資している状態です。イギリスやスペインなど収益を上げている国では、国際的なNPO団体などからの広告収入がメインになっています。彼らがメンバーを増やしたり、署名を集めたい時などに「Change.org」に来るのですが、私たちは過去のユーザーがどんなキャンペーンに賛同したかというデータベースをすべて持っているので、質の高いファンドレイジングにもつながるユーザーを見つけることができ、それがひとつのバリューになっています。

Q.今後は、大きな企業やスポンサーになり得る存在に対して、どういう関係を築いていくかも重要になってきそうですね。

絵美:現在はまだ「Change.org」を日本に紹介している段階だと思っていますが、日本にも根づいてきて、本当に権力にチャレンジするようなキャンペーンが出てくると、相当BGMが変わる気がします(笑)。そこまでいくにはまだ時間がかかると思っていますが、なるべく多くの日本の人たちに火をつけられるような活動をしていくことが私たちの仕事だし、何か大きな事件が起きた時にいかに瞬発的に動けるかというのが今後の肝になってくると思っています。例えば、「はだしのゲン」の事例が面白いと思ったのは、ニュースが出た直後に「Change.org」にキャンペーンが立ち上がっていたことで、当時私は夏休みだったのですが、気づいたらいつのまにかたくさんの人が集まっていたんです。これまで1年やってきて初めての現象だったのですが、大きなニュースが起きた時に「Change.org」を使おうと考えている人たちが出始めているということだと思います。<続く>

もっと知りたい人は…

  • 鈴木 心 

    鈴木 心

    写真家

    1980年郡山生まれ。東京工芸大学写真学科卒業。銀閣寺同仁写真部部長。広告、雑誌の写真制作、テレビCMなどの映像制作をする傍ら、写真のワークショップの開催や自身の作品制作発表を国内外で継続的に行っている。主な仕事に「NHK大河ドラマ平清盛」ポスター撮影、「JR SKISKIキャンペーン」ポスター撮影、「福島テレビ FTV@HOME」CM撮影などがある。最近は毎週郡山に帰って来るチャキチャキの郡山っ子。

  • ハリス鈴木絵美 

    ハリス鈴木絵美

    「Change.org」キャンペーン・ディレクター

    米国人の父と日本人の母の間に生まれ、高校卒業まで日本で育つ。米イェール大学卒業後はマッキンゼー&カンパニー、オバマ氏の選挙キャンペーンスタッフ、ソーシャルインキュベーター企業Purposeの立ち上げなどを経て、2012年にChange.orgの日本代表に就任とともに帰国。