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松井えり菜

アーティスト

関口泰宏

バービーコレクター

今回、インタビュアーとしてカンバセーションズに参加してくれるのは、カルティエ現代美術館に収蔵されている『えびちり大好き』をはじめとする個性的な自画像作品や、ウーパールーパーをモチーフにした作品などで知られるアーティスト、松井えり菜さん。世界を股にかけ、精力的な活動を続けている松井さんが、”いま本当に話を聞きたい人”として指名したのは、世界的なバービー・コレクターとして知られる関口泰宏さん。数えきれない程のレアなバービーたちが陳列された圧巻の関口コレクションに囲まれながら、失われつつある”ニッポンのもの作り”について、松井さんが鋭く迫ります。

4. 趣味を持つってどういうことですか?

関口泰宏 

同じ趣味を持つ人同士で集まって語らうのは至福の時間だし、人生の大きな一部分を占めていますよ。

Q.私がこうして関口さんと会えたこともそうですけど、趣味を通して交流をすると、言葉を超えてつながれますよね。

関口:僕はそんなにたくさん友達がほしいというタイプではないけれど、同じ趣味を持つ人同士で集まって語らうのは至福の時間だし、人生の大きな一部分を占めていますよね。私はたまたまお金がかかる趣味になっちゃいましたけど、別にお金をかけることが大事ではなくて、例えば河原に落ちている顔に似ている石を集めているという人だっているわけですよね。人の趣味に乗じて商売をするような人もたまにいますが、根本的には純粋な人たちが多いような気がします。

ヴィンテージ・バービーに松井さん制作のオリジナル・シュシュを着せてみました。

Q.私、オモチャとアートって似ていると思うんです。ただそれを買うというのではなく、例えば、オモチャ屋さんのおじちゃんおばちゃんたちや、展覧会の会場にいる作家と話してからそれを買う。どちらも衣食住には関係のないものだからこそ、そういう触れ合いが大切なんじゃないかなと思うんです。

関口:絵にしても、売れるに越したことはないだろうけど、金銭の対象だけにするんじゃなくて、本当に大事にしてくれる人のところにその絵が渡る方が幸せですよね。

好きなものと一緒に自分の時間を過ごすというのは大事なことだと思いますよ。休みの時間には自分が楽しめることをしないともったいない。

Q.そうですね。形としては絵を売るということになるんですけど、自分としては引き取って保存して頂くという意識があります。私がオモチャ屋さん巡りが好きだったのも、お店のおばあちゃんとかから、オモチャ産業の全盛期の話などを聞いたりできることが楽しかったからなんですけど、最近は昔からあるようなオモチャ屋さんが少なくなってきていますね…。関口さんが、これからのオモチャに期待することは何かありますか?

関口:個人的には、子どもたちの情操教育にもつながるオモチャというのがどんどん増えていってほしいと思っています。その一方で、いまは大人が遊べるオモチャというのも必要だと思うんですよ。これだけ景気が悪くなっているなかで、遅くまで仕事をしてもろくに残業代が出なかったり、福利厚生もしっかりしていないようなところでこき使われながら、辞めようにも他に仕事がないから辞められないというような厳しい時代ですよね。そんな時に仕事だけやっていても心が荒んでしまいますよね。だからこそ、見ているだけでも心が和むような大人向けのオモチャというのはこれから流行っていきそうな気がします。

関口さん、ありがとうございました!

Q.現代人の心のビタミン的なものですね。

関口:そうそう。好きなものと一緒に自分の時間を過ごすというのは大事なことだと思いますよ。仕事が趣味と直結している人なんて、全体からみたら1割くらいしかいないと思うんです。残りの9割の人たちは、仕事は生活のためだと考えているはず。それなら、休みの時間には自分が楽しめることをしないともったいない。仕事で疲れたからといってボーっとしていても、疲れは取れないと思うんです。だから、それこそ自分にとっての「心のビタミン」みたいなものをみんなに見つけてほしいですよね。人形というのはまさにそういう存在だと思うし、バービーはやっぱりスゴいんですよ(笑)。<インタビュー終わり>

インフォメーション

松井えり菜さんの個展「わびさびウートピア」が、8月25日~9月21日まで東京・山本現代で開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 松井えり菜 

    松井えり菜

    アーティスト

    岡山県出身。2004年に自画像『えびちり大好き』でGEISAI#6の金賞を受賞。同作品はカルティエ現代美術館のコレクションとして収蔵される。多摩美術大学油絵科卒業の後、東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻を修了。現在はスペインのジョアン・ミロ美術館での個展をはじめとして海外での展示も多く、またNTTドコモやモレスキン主催の展覧会に参加するなど活動の幅は広い。

  • 関口泰宏 

    関口泰宏

    バービーコレクター

    1955年東京生まれ。学習院大学経済学部卒。日本仕様のバービーをはじめ、世界でも珍しいバービーを多数所有し、コレクターのなかでも一目を置かれる存在。会社経営をするかたわら、バービーの展示イベントも積極的に行なっている。