インタビューアーにスポットを当てる新感覚インタビューサイト

RSS

Qonversations Twitter

松井えり菜

アーティスト

関口泰宏

バービーコレクター

今回、インタビュアーとしてカンバセーションズに参加してくれるのは、カルティエ現代美術館に収蔵されている『えびちり大好き』をはじめとする個性的な自画像作品や、ウーパールーパーをモチーフにした作品などで知られるアーティスト、松井えり菜さん。世界を股にかけ、精力的な活動を続けている松井さんが、”いま本当に話を聞きたい人”として指名したのは、世界的なバービー・コレクターとして知られる関口泰宏さん。数えきれない程のレアなバービーたちが陳列された圧巻の関口コレクションに囲まれながら、失われつつある”ニッポンのもの作り”について、松井さんが鋭く迫ります。

3. なぜ、バービーコレクターになったんですか?

関口泰宏 

もともと僕が「VAN」などのトラッドなファッションが好きだったんですけど、「ケン」がそういうファッションをしていたということもあって、そこからバービーに入っていったんです。

Q.関口さんには地金屋さんという本業がありますが、バービーと何か関係はありますか?

関口:ほとんどないですね(笑)。ただ、三輪車や戦車のオモチャを作るようなブリキ職人たちがうちにはよく来ていて、その人たちを見てスゴイと思ったり、自分自身もブリキのオモチャを骨董市やアンティークショップに探しに行ったりしていました。その頃にあるお店でバービーを見つけたのが最初のきっかけです。もともと僕が「VAN」などのトラッドなファッションが好きだったんですけど、「ケン」がそういうファッションをしていたということもあって、そこからバービーに入っていったんです。

Q.そうだったんですね! たしかにヴィンテージのバービーたちが着ている洋服は、いま渋谷なんかで売っている洋服よりもオシャレかもしれない (笑)。

関口:特に当時は、いまよりも発色の良い顔料が使われていましたからね。やっぱりバービーはファッションがスゴいと思います。当時のパリならオートクチュール、アメリカなら雑誌の「Seventeen」からそのまま抜け出してきたような、その時代時代に流行ったファッションをしているんですよね。ファッションというのは巡り巡るもので、昔に流行っていたスタイルとベーシックな部分はいまも変わっていなかったりする。僕自身当時のヴィンテージ・ファッションが好きで、そういうものが巡り巡ってまた流行ったりするのは面白いですよね。そういう目線でバービーを見ても発見が色々あると思います。バービー展をよくデパートでやるんですけど、バービーの展示を見た人が、その後に下の階で洋服を買っていくということも多いんですよ。

数々のバービー展に協力している関口さん。 数々のバービー展に協力している関口さん。

Q.いつの時代もバービーは女性の心をつかむんですね!

関口:そうですね。デパートだと空間に限りがあるから、場所や時期に合わせて、バービーを選ぶんですけど、それが至福の時なんですよ (笑)。例えば、銀座で上品な人が多く来るような場所なら、ヴィンテージのものをたくさん出したり、渋谷など若い子が来る場所だったら、ジューシー・クチュールクリスチャン・ディオールを着たバービーを出したりね。将来的には、どこかに博物館を作りたいなと思っているんですよ。まだどの場所がいいのか色々迷っているところなんですけどね。

Q.関口さんは、これだけのコレクションを商売にするということは考えていないんですか?

関口:好きなことを商売にするというのはスゴいことだと思うけど、私の場合は、本業がある上で趣味としてやっているから楽しくてしかたないというのがあるんです。もしこれが本業になったとしたら、果たしてどれだけモチベーションが保てるのかというのはありますね。ただ、こうして展示などをするようになると、自分では集めたくないものでも、一応持っておかないといけないんじゃないかと思って買ったりすることはあります。もともと私はヴィンテージのバービーをたくさん集めていたんですが、バービーならすべて持っていると思われているところがあって(笑)、「関口さん、これ持ってないんですか?」と言われることもあるんですよ。それが面白くないから、今後の展示のために買ったりすることもありますね。本当は欲しいものだけを集めている方がいいと思うんですけど、こういう立場になってくると、そうしたジレンマも出てきますね。<続く>

インフォメーション

松井えり菜さんの個展「わびさびウートピア」が、8月25日~9月21日まで東京・山本現代で開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 松井えり菜 

    松井えり菜

    アーティスト

    岡山県出身。2004年に自画像『えびちり大好き』でGEISAI#6の金賞を受賞。同作品はカルティエ現代美術館のコレクションとして収蔵される。多摩美術大学油絵科卒業の後、東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻を修了。現在はスペインのジョアン・ミロ美術館での個展をはじめとして海外での展示も多く、またNTTドコモやモレスキン主催の展覧会に参加するなど活動の幅は広い。

  • 関口泰宏 

    関口泰宏

    バービーコレクター

    1955年東京生まれ。学習院大学経済学部卒。日本仕様のバービーをはじめ、世界でも珍しいバービーを多数所有し、コレクターのなかでも一目を置かれる存在。会社経営をするかたわら、バービーの展示イベントも積極的に行なっている。