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松井えり菜

アーティスト

桂 由美

ブライダルファッションデザイナー

今回でカンバセーションズには2回目の登場となるアーティストの松井えり菜さん。前回は世界的なバービーコレクターとして知られる関口泰宏さんにインタビューをした松井さんが、今回インタビュー相手として挙げてくれたのはブライダルファッションデザイナー、桂由美さん。日本におけるブライダルファッションデザイナーの草分けとして世界的に活躍する桂さんに、いま公私共にドレスに対して強い興味を示している松井さんが迫ります。

2. なぜブライダルにこだわるのですか?

桂 由美 

有名になってビジネスを展開させていこうと思ったら、ブライダルを続けることは決して得なことではないけれど、なぜこの世界に特化しているのかというと、やはりそれは好きだということでしかないんです。

Q.桂さんの作品はドレスだけではなく、ベールもとても素敵で釘付けになってしまいました。ティアラが要らないくらい作り込まれていますよね。

桂:昔はドレスというのは一着ずつ注文を受けて作っていたので、すべてがオートクチュールだったんです。既製服というものがなかったから、当然ベールも注文を受けた時に一緒に作っていました。ところが、いまは分業になっていて、ドレス屋はドレスばかり、ベール屋はベールばかりになっているんですけど、結局その方が安くあがるんです。例えば、生地を10m、100m、1000mそれぞれ仕入れるのでは単価は全然違うし、ベールばかり作っていた方が単価は安くなる。逆に私たちのようにすべて手作りでやっていると単価は高くなるのですが、ドレスとベールで違う花がついていたりするのは違和感がありますし、本来はこうあるべきだと思っているので、すべて作っているんです。

Q.桂さんはブライダルへのこだわりというのも強いのですか?

桂:色々なファッションがあるなかでブライダルに特化するというのは、ビジネス的には損なことなんです。ウェディングドレスは一生に一度しか着ないものなので、いくらユミカツラのファンの方でも、シャネルのスーツのように何着も買うことはできないですよね。だから、有名になってビジネスを展開させていこうと思ったら、ブライダルを続けることは決して得なことではないけれど、それでもなぜ私がこの世界に特化しているのかというと、やはりそれは好きだということでしかないんです。常々私は「生涯現役」と言っているのですが、やはり好きな世界に自分を投入していると、それが長く続いていくのだと思っています。

Q.桂さんは年齢を非公開にされていますが、それはなぜですか?

桂:その人が何歳だからこういうものが作れるということではないし、いつまでも少女っぽい人は少女っぽいですよね。アーティストやデザイナーに年齢は関係なく、もっと精神的な部分を見てほしい思うんです。アーティストやデザイナーはミステリアスな方が良いと思っているので、年齢を明かさなくてはいけない取材などはいつも断っていて、普段年齢を聞かれた時なども「ご想像にお任せします」と言ってるんですよ(笑)。だから、うちの社員も私の誕生日のことなんて忘れているし、誰もお祝いしてくれないんです(笑)。<続く>

もっと知りたい人は…

  • 松井えり菜 

    松井えり菜

    アーティスト

    岡山県出身。2004年に自画像『えびちり大好き』でGEISAI#6の金賞を受賞。同作品はカルティエ現代美術館のコレクションとして収蔵される。多摩美術大学油絵科卒業の後、東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻を修了。現在はスペインのジョアン・ミロ美術館での個展をはじめとして海外での展示も多く、またNTTドコモやモレスキン主催の展覧会に参加するなど活動の幅は広い。

  • 桂 由美 

    桂 由美

    ブライダルファッションデザイナー

    東京生まれ。共立女子大学卒業後、フランスへ留学。1964年日本初のブライダルファッションデザイナーとして活動開始。日本のブライダルファッション界の第一人者であり、草分け的存在。パリオートクチュールコレクションをはじめ、世界22か国でブライダルショーを開催し、ブライダルの伝道師とも呼ばれている。また、多くの著名人のウエディングドレスをデザインすることでも知られ、最近ではNHKドラマ「あまちゃん」での最終回の挙式シーンで婚礼衣装を手がけるなど多岐にわたり活躍中。10月14日に発足するアジアオートクチュール協会ではコシノジュンコ氏とともに創立メンバーに選ばれた。