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黒田潔

イラストレーター

寺坂直毅

放送作家

カンバセーションズには3回目の登場となるイラストレーターの黒田潔さん。ダンサーの黒田育世さん、コラムニスト/マンガ家の辛酸なめ子さんに続き、今回黒田さんがインタビュー相手に選んだのは、放送作家の寺坂直毅さん。さまざまなラジオ、テレビ番組の構成を手がける傍ら、「紅白歌合戦」「徹子の部屋」、デパートなどに関する膨大な知識を持ち、「やりすぎコージー」などのテレビ出演や「胸騒ぎのデパート」の著作などでも知られる寺坂さんに、黒田さんが迫ります。

4. 「昔」と「今」のどちらが好きですか?

寺坂直毅 

「紅白」に関しては、常に最新作がベストだと思っています。時代性を反映させた一本の映画が作られているような感覚が「紅白」にはあって、それはマンネリとかそういうことではないんですよね。

Q.友だちがいないと仰っていた寺坂さんですが、いまは放送作家という仕事をされていて、どんどん周りに人が集まってくるような状況になっていそうですね。

寺坂:どうなんですかね。でも、やっぱりそんなに人には興味ないんですよね(笑)。一緒にいて楽な友だちというのは、本当に1、2人くらいですからね。でも、「紅白」とかデパートとかに興味がある方がいればこうして話をさせて頂いたりするようにしているんです。ひとりでも多くの人に、この面白さを知ってほしいので、なるべく自分から動こうとは思っていますよ。次回はDVDもお持ちして、お酒を飲みながら「紅白」の鑑賞会とかしたいですね。

黒田潔 / 布施明「君は薔薇よりも美しい」背景アニメーション(第59回NHK紅白歌合戦)

Q.ぜひやりたいです!今日は色んな話がお聞きできて凄くうれしいです。

寺坂:「紅白」は書体の歴史なんかも凄く面白いんですよ。昭和40~50年代の手描きテロップ時代もいいですし、平成3年(第41回)以降はPCが導入され、平成16年(第55回)には丸ゴシック調のオリジナルフォントになったんです。その後平成17年(第56回)角ゴシック風に変わり、平成21年(第60回)からは明朝になっているんですけど、ぼくは角ゴシックがベストだと思っています。明朝ってお洒落なオーラがあっていいんですが、角ゴシックというのは、曲を聴いている人の想像に委ねる書体だと思うんですよね。

寺坂さんが制作した紅白歌合戦のミニチュアセット 寺坂さんが制作した紅白歌合戦のミニチュアセット

Q.面白いですね(笑)。もともと個人的な趣味で始めたものが、完全にエンターテインメントになっていますよね。

寺坂:ただのマスターベーションなんですけどね(笑)。もともと人前では恥ずかしくて言えなかったんですけど、「やりすぎコージー」の構成をされていた遠藤敬さんに、「紅白」やデパートの話をしたら、凄く笑われたんです。こっちは好きなことを真面目にやっているだけなんですけど、人からしたらそれが面白いということを初めてそこで知ったんです。ただ、同時に自分が中学・高校時代に友達がいなくて、いじめられていた時期の趣味だったから、ある意味つらい過去でもあるんです。でも、「やりすぎコージー」で、前から大好きだった東野(幸治)さん今田(耕司)さんの前で話すことで、暗かった自分がだんだん溶けていくような感覚があったんですよね。

寺坂さんからサインも頂きました!

Q.テレビ番組にしてもデパートにしても、色んな歴史があると思うんですけど、寺坂さんにとっては、過去のアーカイブを掘り下げていくことと、変化していく現在進行形のものに目を向けることのどちらに興味があるんですか?

寺坂:例えば、「寅さん」なんかもマンネリと言われながらも結局48作目までいって、みんなそれぞれ好きな回というのはあると思いますけど、毎回最新作が最高と思って観ていた人が結構多いと思うんですね。それと同じで、「紅白」も常に最新作がベストだと思っています。震災などを経たいま、日本の状況も大きく変わっていて、そういう時代性を反映させた一本の映画が作られているような感覚が「紅白」にはあって、それはマンネリとかそういうことではないんですよね。

Q.今年はNHKの朝ドラに昔僕が好きだったアイドルがたくさん出ていて、そういう人たちが「紅白」の応援隊として出るのかなとか考えたりするのも楽しいですよね(笑)。ぜひ次回は鑑賞会をやりましょう!

寺坂:そうですね。時間があればデパートツアーにもお連れしますよ。<インタビュー終わり>

インフォメーション

黒田潔さんは現在、小説家・村上龍氏がJRA新聞広告・スポーツ新聞各紙に連載中の「速いものは、美しい」のイラストを担当。また、Samantha Thavasaのキャンペーン「Smantha Thavasa × カワイイ × Art.」の8月のグラフィックも担当し、CMもオンエアー中。

もっと知りたい人は…

  • 黒田潔 

    黒田潔

    イラストレーター

    イラストレーター。資生堂「ザ・コラーゲン」広告、 Van Cleef & Arpels銀座店ディスプレイ等を手掛ける。2005年新宿サザンビートプロジェクトのウォールグラフィックでグッドデザイン賞を受賞。東京都現代美術館MOTアニュアル10」。韓国ナム・ジュン・パイクアートセンター等の展覧会に参加。作品集「森へ」(ピエ・ブックス)、古川日出男氏との共作「舗装道路の消えた世界」(河出書房新社)を出版。

  • 寺坂直毅 

    寺坂直毅

    放送作家

    1980年宮崎生まれ。家から徒歩圏内にデパートが何軒も乱立する環境で幼少期を過ごし、魅力に憑りつかれたために日本全国のデパートを行脚した「胸騒ぎのデパート」(東京書籍)を刊行。紅白歌合戦、黒柳徹子研究などの趣味を持つ。