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熊野森人

クリエイティブディレクター

石井ゆかり

ライター

企業のブランディングや広告製作などを手がけるエレダイ2で代表を務める熊野森人さんが今回インタビューするのは、ご自身のWebサイト「筋トレ」やツイッター、ミリオンセラーとなった書籍「12星座シリーズ」、数々の雑誌やWebメディアでの占いコーナーなどをはじめとした文筆活動で知られるライターの石井ゆかりさん。かねてから石井さんのファンだったという熊野さんが、独自の視点と語り口で多くの熱狂的なファンを抱える石井さんに、星占いのことからコミュニケーションの話まで、さまざまな質問を投げかけました。
※このインタビューは、2016年10月20日に収録されました。

5. 自分の肩書きは意識しますか?

石井ゆかり 

著者が誰なのかということも重要な情報のひとつですが、自分からそれを定義する必要もないのかなと思っています。とにかく「本」があれば、それでいいんです。

Q.現在の仕事の他にやってみたいと思うことはありますか?

石井:昔から理系に憧れがあって、本当はそっちの道に進みたかったんです。実際にプログラマーとして働いていた時期があったのですが、もともと算数ができない人間だったので、私が書くコードは間違っているわけではないのに、動作がとても遅かったりするんです(笑)。20代でプログラマーになって初めて、自分が根っからの文系だとわかったのですが、勉強すれば何でもできてしまうと勘違いしていた期間が長くて、その時にやっと人にはできることとできないことがあると気づきました(笑)。いまだに、文句がつけようのない理屈のようなものに憧れはあります。占いにしてもそうですが、雰囲気的なものを信じてしまうと、戻ってこられなくなるというおそれがあるから、裏付けがある理屈にしがみついていたいと思っているんです。やっぱり数学者とか物理学者とかはカッコ良いと思うし、なれるものならなりたかったなと。

石井ゆかり『「美人」の条件』(2016年/幻冬舎)

Q.いまはライターというのが石井さんの肩書きだと思いますが、これには「なれた」という意識はありますか?

石井:そう言っていいと思います。日本で「ライター」と言うと、何かしらの発注があって、その通りに文章を書く仕事だという印象が強いですが、もともとの英単語としての「Writer」は、作家、文筆家ってことですよね。私としては、純粋に「物書き」「書く人」というイメージで「ライター」という肩書きを名乗っています。一方で私は、「占い師」とは名乗っていないんです。占い師というのは答えを出さなくてはいけない仕事だと思っているので、私は本質的には占いをしていないんだろうなと。もちろん西洋占星術などのルールに基づいてやってはいますが、当てるための研究とかもしたことはないですし、個人の占いもいまはほとんどしていないし、仕事の内容的に「占い師」と名乗ってはいけないだろうと思っています。だから、やはり「文章を書く」ということだけが私の商売なんじゃないかなと。

書籍『選んだ理由。』のベースとなったミシマ社のウェブ雑誌「みんなのミシマガジン」での連載企画「石井ゆかりの闇鍋インタビュー」。

Q.石井さんの中で、「ライター」と「作家」に線引きはあるのですか?

石井作家は作品を書く人で、おそらくもっとクリエイティブなんだろうと思います。私の中では、作家とライターの違いは、アーティストとデザイナーの違いのようなものです。ライターはまずクライアントや読者のニーズがあって、それに対してどう応えられるかを考える仕事です。現状の私は、ライターとして仕事をしています。昔は、いつかは作家になりたいという思いもあったのですが、気づけばもう40歳になっていて、そろそろ時間がなくなってきているなと。ただ、私はもともと本を出したいという夢を持っていて、自分がこういうテーマで本を書きたいというものが出版できるのであれば、作家でもライターでもどちらでもいい気もします。本というのは、著者が誰なのかということも重要な情報のひとつですが、自分からそれを定義する必要もないのかなと思っています。とにかく「本」があれば、それでいいんですね、結局(笑)。<インタビュー終わり>

インフォメーション

まるごと一冊石井ゆかりさんを特集した「Figaro」の占いMOOK本が12月9日に発売。書き下ろしの占い特集と、半期ごとに出していた「袋とじ」が収録予定。
熊野さんが、「快適な食時間をデザインして、毎日しあわせを感じられるようにすること。」をテーマにした新会社「ゆっくりおいしいねむたいな」を設立。

もっと知りたい人は…

  • 熊野森人 

    熊野森人

    クリエイティブディレクター

    1978年生まれ。大阪府出身。IAMAS(岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー)特別研究課程修了。株式会社eredie2代表取締役、クリエイティブディレクター。株式会社ゆっくりおいしいねむたいな代表取締役、京都精華大学非常勤講師、京都造形芸術大学非常勤講師、東京芸術学舍講師。企業の商品やサービスの売り方を考えて広告をつくったり、企業そのものをブランディングしたり、行政の企画を練ったり、自社で世の中をちょっとザワザワさせるものをつくることが1つめの仕事。学生に「考える方法」と「行動する方法」を教えることが2つめの仕事。家で食器を洗ったり、トイレやお風呂を掃除したりすることが3つめの仕事です。

  • 石井ゆかり 

    石井ゆかり

    ライター

    1974年生まれ。星占いの記事やエッセイなどを執筆、独特の文体で人気を集める。2010年刊行『12 星座シリーズ』(WAVE 出版)は120万部を超えるベストセラーに。2014年には続編『3年の星占い』を刊行、33万部のヒットとなる(2015年2月現在)。著書は、他に『禅語』『親鸞』『青い鳥の本』シリーズ(パイ・インターナショナル)、『愛する人に。』『愛する力』『「美人」の条件』(幻冬舎コミックス)、『子どもの自分に会う魔法』(白泉社)、「ひかりの暦」(小学館)等多数。