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喜田夏記

映像作家
アートディレクター

オダギリジョー

俳優

今回インタビュアーとして登場するのは、TVCM、ミュージックビデオ、アニメーションなどの映像ディレクションから、パッケージやテキスタイルなどのデザインまでを手がける喜田夏記さん。そんな彼女がインタビューするのは、「アカルイミライ」「メゾン・ド・ヒミコ」「ゆれる」「東京タワー」をはじめ数々の映画に出演し、日本映画界において唯一無二の存在感を放つ俳優・オダギリジョーさん。音楽活動も行うオダギリさんが、バンド・勝手にしやがれとコラボレートした「チェリー・ザ・ダストマン」のミュージックビデオの監督を手がけて以来、公私に渡って交流を続けている喜田さんが、オダギリさんの知られざる一面に迫ります。

3. 海外の仕事は何が面白いんですか?

オダギリジョー 

まっさらな目で見てくれるところに自分という素材だけで飛び込んでいける感覚があるんです。僕が何をしてくるかも向こうは全くわかっていないし、そこが面白いんですよね。

Q.オダギリさんの活動を見ていると、仕事を選ぶ観点が素晴らしいなと思うんです。例えば、ヘルツォークの映画のナレーションをやったり、「じゃりン子チエ」のはるき悦巳さんの短篇集の推薦文を書いたりしていて、これらはオダギリジョーという存在がメインで出る仕事ではないけど、作品自体の質をしっかり上げていて、独特の仕事の選び方をしているんだなと。

オダギリ:そう言ってもらえるのは凄くうれしいです。そこにも自分のプライドみたいなものがあるのかもしれないですね。ヘルツォークにしても、はるき悦巳さんにしても、僕が彼らの作品を好きだと知ってオファーをしてくれたんですが、そうであれば余計にがんばりたいですし、やっぱり自分が好きなものの仕事をするのが一番いいじゃないですか。

「マイウェイ 12,000キロの真実」(C) 2011 CJ E&M CORPORATION & SK PLANET, ALL RIGHTS RESERVED

Q.最近は積極的に海外の仕事をやっているように思うんですけど、何か意識があるんですか?

オダギリ:日本で仕事をしていると、やっぱりオダギリジョーという何となくのイメージがあるじゃないですか。でも、海外の人と仕事をするとそういうものがほとんどないので、まっさらな目で見てくれるところに自分という素材だけで飛び込んでいける感覚があるんですよ。僕が何をしてくるかも向こうは全く予想していないし、そこで勝負できるのが面白いんですよね。

Q.日本ではオダギリジョーというイメージが確立され過ぎている分、それに応えないといけないという余計な意識も働いてしまいそうですよね。

オダギリ:そのイメージ以上のものを返すか、もしくは裏切るかして、何かしら答えを出さないといけない。でも、海外だと感じたままを出せばいいというところがあるんです。ゼロからのスタートですから。あと、日本でやる場合はこれまでの経験もあるから、下手に甘えてしまうこともできちゃうんですよね。すでにそこそこ仕事をやってきていて、中堅的な扱いをされるわけですけど、そこに対する気持ち悪さみたいなものもあって。

喜田さんが取り組んでいる子供向けアニメーションシリーズ「Liv&Bell」。NHKプチプチアニメにて連載中。©Natsuki Kida・NHK・NEP 喜田さんが取り組んでいる子供向けアニメーションシリーズ「Liv&Bell」。NHKプチプチアニメにて連載中。©Natsuki Kida・NHK・NEP

Q.私もオダギリさんと年齢が同じだから、その感覚は凄く良くわかります。ある程度仕事を理解できるようになってくると、死に物狂いでやっていた若い頃みたいに本当に100%の力を出せているかわからなくなることがあるんですよね。そこは自分で見極めていかないといけない。その話とも関係するんですけど、最近テレビで子ども向けのアニメーションを作っているんですね。これから育っていく新しい才能に何を伝えられるのか、まだピュアな子どもたちに少しでも良い影響を与えられるものが作れたら素晴らしいなと。20代の頃はとにかく自分のことで精一杯だったけど、最近はそういう思いが強まっているんです。

オダギリ:僕のいる世界はどんどん若い俳優が出てくるし、世代が変わるのも早いんですよね。僕も30歳になった頃から新しい次の世代のために何をするべきかを考えるようになりました。自分が永瀬(正敏)さんや浅野(忠信)さんらを見て、カッコ良い仕事の仕方をしないとダメだと思った世代として、下の世代にもそう感じてもらいたいというのはありますね。<続く>

インフォメーション

喜田夏記さんによるオリジナル・ストップモーションアニメ「Liv&Bell」 がNHKにて連載放送中。

もっと知りたい人は…

  • 喜田夏記 

    喜田夏記

    映像作家
    アートディレクター

    東京藝術大学美術学部デザイン科大学院修了。在学中、ニューヨーク大学映画学科で映像制作を学ぶ。在学中からMV・TV-CM等で映像を制作。映像Directionの他、Art Direction、Animation、グラフィック、美術デザイン、パッケージデザイン、テキスタイルデザイン等も手がける。エジンバラ国際映画祭、Vila do Conde(ポルトガル映画祭)、Anifest(チェコアニメーション映画祭)SICAF(韓国国際アニメーションフェスティバル)、onedotzero、Resfest 作品招待、文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品受賞。NHKプチプチアニメにてオリジナル・ストップモーションアニメーション『Liv&Bell』連載中。

  • オダギリジョー 

    オダギリジョー

    俳優

    1976年2月16日生まれ。岡山県出身。03年に黒沢清監督作品『アカルイミライ』で映画初主演。その他の主な出演作品に『この世の外へ クラブ進駐軍』『血と骨』(04)、『パッチギ!』『メゾン・ド・ヒミコ』『スクラップ・ヘブン』(05)、『ゆれる』『パビリオン山椒魚』(06)、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『サッド ヴァケイション』(07)、『空気人形』(09)、『ウォーリアー&ウルフ』『奇跡』(11)、『マイウェイ 12,000キロの真実』(12)、『舟を編む』『リアル~完全なる首長竜の日~』(13)。現在、NHK大河ドラマ『八重の桜』に出演中。待機作には『人類資金』などがある。