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川田十夢

AR三兄弟 長男

本広克行

映画監督

今回でカンバセーションズには2回目の登場となるAR三兄弟川田十夢さん。前回の大林宣彦監督に続き、今回彼がインタビュー相手として挙げてくれたのは、映画、ドラマ、ミュージックビデオをはじめ幅広い分野で活躍する本広克行監督。先日、惜しまれながらも完結した『踊る大捜査線』シリーズで社会現象とも言えるブームを巻き起こし、さらに現在放映中のTVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』では総監督を務めるなど、映画監督の枠にとどまらない活動をする本広さんに、川田さんがいま聞きたいこととは?

1. 製作総指揮ってどんな仕事なんですか?

本広克行 

製作総指揮というのは、その作品に出資していて、プロデューサー権限がある人のこと。ここ10年くらいで使われるようになった言葉だと思うんですけど、響きが良いから宣伝文句的に使っているところもあると思います。

Q.先日僕は、製作総指揮とか総監督と言われるような仕事を初めてやらせてもらったんですね。ただ、何をすればいいのかわからなかったので、自分で脚本を書いて演出をして、広告やデザインのこともすべてうっかりやってみたんです。本広さんは、僕よりはるかに大きな規模の色んな映画やドラマに総監督として携わっていると思いますが、そもそも製作総指揮や総監督というのはどういうものなのか、また「製作総指揮」道みたいなものがあればお伺いしてみたいなと思っているんです。

本広:まず製作総指揮というのは、その作品に出資していて、プロデューサー権限がある人のことなんですよ。例えば、ハリウッドの映画監督は、スピルバーグにしてもルーカスにしても、売れるとみんな自分の映画に出資をするんですね。一方で、総監督というのは自分ではお金は出していない。映画というのは、やっぱりひとりの監督のものだから、あまり総監督というのは使わないかもしれません。TVのバラエティ番組なんかだと総監督と呼ぶ場合が多いのですが、これは色んな人に演出を分配して、全体を監督するような役割の人のことですね。

Q.そうなんですね。じゃあ僕がやっていたことは正確には製作総指揮ではなく、そのフリをしていたということですね(笑)。

本広:映画やTV、CMなどでそれぞれやり方は違うのですが、基本的に中身を作っていくのがディレクターで、スタッフィングやキャスティングをしたり、お金を集めたりするのがプロデューサーですね。

Q.本広さんの監督作品にもプロデューサーがついていますが、本広さん自身の立ち回り方もプロデューサー的に見えるんですよね。

AR三兄弟・川田さんが製作総指揮を務めた拡張現実シアター。

本広:僕はかなりプロデューサー寄りのディレクターだと思います。関わるものが大きくなり過ぎているから、そうしていかないとなかなか物事が動かないんですよ。プロデューサーと言ってもひとつの作品に10人くらいいて、細分化されていることが多いんです。メインでガッツリやり取りするのはラインプロデューサーで、そこに演出家を巻き込んだりしていきます。『踊る大捜査線』などの場合は、製作総指揮的な立場のチーフプロデューサーがいたり、宣伝プロデューサーという大事な役割もある。また、タイアップを取るためのプロデューサーや脚本だけを見てくれるプロデューサーまでさまざまですね。以前ヨーロッパ企画と一緒に作った『サマータイムマシン・ブルース』という映画ではプロデューサーもやらせてもらって、ロケハンからお金集め、演出まですべて自分でやって、自主映画的に作っていきました。

AR三兄弟・川田さんが製作総指揮を務めた拡張現実シアター。

Q.なるほど。それがまさしく製作総指揮だと思っていたので、いま謎が解けました。

本広:製作総指揮というのは、ここ10年くらいで使われるようになった言葉だと思うんですけど、響きが良いから宣伝文句的に使っているところもあると思います。<続く>

インフォメーション

本広克行さんがディレクターを務める「さぬき映画祭2013」が2月3日から17日まで開催予定。また、本広さんが総監督を務めるTVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』は、フジテレビ”ノイタミナ”にて毎週木曜24:45~放送他各局にて放送。
AR三兄弟が製作総指揮を務めた『拡張現実シアター 近未来は今』が、1月16~18日の3日間東京ビックサイトで開催される「第1回 クルマのITソリューション展」にて上映予定。

もっと知りたい人は…

  • 川田十夢 

    川田十夢

    AR三兄弟 長男

    1976年熊本県生まれ。2001年メーカー系列会社に就職、面接時に書いておいた「未来の履歴書」の通り、同社Web周辺の全デザインとサーバ設計、全世界で機能する部品発注システム、ミシンとネットをつなぐ特許技術発案、AdobeRecords ダブル受賞など、夢みたいなことを一通り実現させた後、2010年に独立。公私ともに長男として活躍。最新作は、真心ブラザーズMV『消えない絵』(監督+出演)、BUMP OF CHICKENと共同開発したBOC-AR、コカ・コーラとの自販機 AR、情熱大陸の出演・開発など。

  • 本広克行 

    本広克行

    映画監督

    1965年生まれ。香川県丸亀市出身。ROBOT所属。1996年「7月7日、晴れ」で劇場映画監督デビュー。 2003年に公開された「踊る大捜査線 THE MOVIE2」では、日本映画(実写)興行収入記録歴代1位の座を獲得。また、 「サマータイムマシン・ブルース」(05)、「曲がれ!スプーン」(09)と、 劇団ヨーロッパ企画の舞台を映画化。2012年は、監督を務める 「踊る大捜査線」シリーズ最新作「踊る大捜査線 THE FINAL新たなる希望」が公開された。