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色部義昭

アートディレクター
グラフィックデザイナー

北川フラム

アートプロデューサー
ディレクター

今回、カンバセーションズに初参加してくれるインタビュアーは、日本デザインセンターに所属し、さまざまな企業や文化施設のロゴやサイン計画、ブックデザインなどを手がけるグラフィックデザイナーの色部義昭さん。今回色部さんがインタビューするのは、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクターなどで知られるアートフロントギャラリーの北川フラムさん。同じく北川さんが総合ディレクターとなり、2014年に開催される「中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックス」では、デザインディレクションを手がけることになっている色部さんが、北川さんにいま聞いてみたいこととは?

4. 21世紀型のアートって何ですか?

北川フラム 

いまは地球全体でどうしていくかを考えなくてはいけない時代になっているし、どの地域も疲弊に直面しています。そのなかでアートには新しい可能性があると思っています。

Q.北川さん個人としては、どんなアートが好きなんですか?

北川:個人的にはボナールモネなど割と昔のアーティストが好きです。でも、そもそも時代を越えて残ってきた人たちは良いに決まっていて、それをわざわざ僕が言っても何も始まらない。むしろ同時代の人たちと一緒に苦労しながらやっていった方が面白いし、生きている感じがしますよね(笑)。

Q.「いちはらアート×ミックス」にはどんなアーティストが参加するのですか?

北川:今回初めての試みになるのですが、「AROUND 40」を掲げ、40歳前後のアーティストを中心に構成する予定です。上の世代のスーパースターたちを集めれば話題にはなると思うのですが、将来アーティストが市原とどう関わっていくかを考えた時に、いまの40代くらいの世代であれば、これから先20~30年くらい良い関係性を築いていけるんじゃないかと。20~30年後になって振り返った時に、最初は大変だったけど一緒にやったんだということを共有できることは凄く大切だし、最初に付き合った人間というのはお互いにとって良い存在になりますからね。

イリヤ&エミリア・カバコフ 「棚田」 photo:Osamu Nakamura  「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」より。  C.ボルタンスキー+J.カルマン「最後の教室」 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」より。

Q.いまでこそ北川さんの力でさまざまなアーティストが集まるようになっていると思いますが、最初は交渉なんかも大変だったのではないですか?

北川:大変でしたよ。例えば、ヨーロッパのスターたちを少ない予算で日本の田舎に呼ぶというのは、やっぱり簡単なことではないんです。でも、これを言ってしまっては身も蓋もないかもしれませんが、好きだ好きだと言い続けていたら、向こうはうるさいなと思いつつも悪い気はしないですよね(笑)。それで間違って一度でも来てしまえば、やっぱり田舎というのは断然面白いんですよ。それでハマり出すというケースは多いですね。

女木島  Photo:Osamu Nakamura Photo:Osamu Nakamura

Q.実際に芸術祭に参加することでアーティスト自身が得られるものも多そうですね。

北川:まずアーティストが明るくなりますね。都市の美術というのはやっぱり暗いんですよ。都市の時代だった20世紀は、都市の病理に対するカルテのようなアートも凄く多かったんですね。でも、いまは地球全体でどうしていくかを考えなくてはいけない時代になっているし、どの地域も疲弊に直面しています。そのなかでアートには新しい可能性があると思うし、21世紀型の美術というのは、瀬戸内や越後妻有のようなあり方かもしれないとヨーロッパでも凄く評価をしてもらっていて、実際に海外からの視察も非常に多いんです。また、美術に関しては欧米の流れというものがひとつの中心だったわけですが、そこに対する疑問もあります。欧米の真似事のような展覧会を日本でやってもしかたないし、瀬戸内でも越後妻有でも中国でもインドでも、それぞれの土地に面白さがあるし、その地域の魅力が立ち上がってくるようなことをやりたいとずっと思っているんです。<続く>

インフォメーション

北川さんが総合ディレクターを、色部さんがデザインディレクションを担当する「中房総国際芸術祭」は、2014年3月21日〜5月11日まで開催予定。同じくふたりが関わる市原湖畔美術館は現在開館中。 北川さんが総合ディレクターを務める「瀬戸内国際芸術祭2013」の秋会期は10月5日〜11月4日まで。

もっと知りたい人は…

  • 色部義昭 

    色部義昭

    アートディレクター
    グラフィックデザイナー

    1974年生まれ。千葉県出身。東京芸術大学大学院修士課程修了。日本デザインセンター色部デザイン研究室主宰。東京藝術大学非常勤講師。リキテックスアートプライズのグラフィックやTAKEO PAPER SHOW 2011 「本」の展覧会アートディレクション、市原湖畔美術館のVIとサイン計画など、グラフィックをベースに美術館や展覧会等のアートに関連するデザインから企業のCIや公共施設のVI、商品のパッケージまで幅広くデザインを手がけている。

  • 北川フラム 

    北川フラム

    アートプロデューサー
    ディレクター

    1946年新潟県高田市(現上越市)生まれ。東京芸術大学卒業。主なプロデュースとして、「アントニオ・ガウディ展」(1978-1979)、「子どものための版画展」(1980-1982)、「アパルトヘイト否!国際美術展」(1988-1990)等。地域づくりの実践として、2000年にスタートした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、「水都大阪」(2009)、「にいがた水と土の芸術祭2009」「瀬戸内国際芸術祭2010、2013」等。 長年の文化活動により、2003年フランス共和国政府より芸術文化勲章シュヴァリエを受勲。「越後妻有アートトリエンナーレ」、「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクター。