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橋詰 宗

デザイナー

間口一就

バー「ロックフィッシュ」店主

今回インタビュアーとして登場するのは、デザイナーの橋詰宗さん。グラフィック・デザインやアートディレクション、ウェブデザインなどの枠にとどまらず、ワークショップやイベントなど、デザイン/編集的な視点から、さまざまな人、コト、モノをつなげる場づくりにも積極的に取り組んでいる彼が、話を聞きたい人として名前を挙げてくれたのは、銀座のバー「ロックフィッシュ」の店主・間口一就さん。特製ハイボールと、独創的なつまみで人気を集めるバーを営む傍ら、ご自身の著作も出されている間口さんに、橋詰さんが聞きたいこととは?

5. これからの目標はありますか?

間口一就 

究極の目標は、「間口が入れた水はうまいね」と言われることなんです。

Q.間口さんの本を見ていて、レシピを公開することで、受け手もそれを実践できるようなオープンソース的思想を感じたのですが、その辺りはどう考えていますか?

間口:よく取ってもらえばそういう見方もできると思いますが、自分としては、基本的に本は作品発表の場だと思っています。どう受け取ってもらえるかはわかりませんが、自分の作品を見て、シンプルな食材でもこんなことができるんだと驚いてもらったり、「いいね!」をしてもらえたらいいなという感覚です(笑)。

(左)「銀座『ロックフィッシュ』間口一就の麺々エブリデイ!」(2012/辰巳出版) 、(右)「バーの主人がこっそり教える味なつまみ」(2009/柴田書店) 間口さんのFacebookで更新されている「麺々エブリデイ!」。こちらは「鰹たたき揚げ麺」。 間口さんのFacebookで更新されている「麺々エブリデイ!」。こちらは「釜あげしらすうどん」。

Q.身近な食材でも、間口さんというフィルターを通すことで、こういう料理になるんだということの態度表明的な意味合いもありそうですね。

間口:そうですね。実際僕の本を読んで、同じように作る人はあまり多くないんです。目で満足している人がほとんどで、実際には作らないけど、自分にもできるんだという疑似体験をしているんです。無理にこれで作ってみろというのではなく、そういう読み物としてあればいいのかなと思っています。暇な時にちらっと読んで、後は陰干ししてくれと(笑)。使い方は自由ですからね。親が買ったにも関わらず、子供の方が真剣に読んでいるということも多いみたいで、それも面白いですよね。そういう子たちの味覚や発想が今後どうなっていくかは楽しみですね。

Q.上から押し付けたり、教えたりするのではなく、あくまでもその人に委ねるというスタンスなんですね。

間口名:そうですね。全部を全部公開しようとも思っていなくて、例えばFacebookで自分が上げているコメントもあえて短くしていますし、基本的には「ここまでは出すけど、後は想像してください」というスタンスですね。極端な話、単語3つだけを並べて、「後は感じてください」というのが自分のやり方なんです。「これとこれを合わせてみました。どうですか?」と。説明しなきゃいけない料理よりも、シンプルに直球でいった方が心に響くんじゃないかなと思っています。お酒でも食材でもたくさん持っていることはスゴいと思いますが、なくてもできるということに自分はチャレンジしています。うちで使っているお酒の種類は少ないけど、それでもある程度集客ができる世界は作れるし、ハイボールだけでも商売はできる。究極の目標は、「間口が入れた水はうまいね」と言われることなんです。「あの人が作ればどんなものでも美味しいよね」と言われるようになりたいですね。<インタビュー終わり>

インフォメーション

間口一就さんによる最新刊『銀座「ロックフィッシュ」間口一就の麺々エブリデイ!』は、辰巳出版より発売中。
橋詰宗さんは、2012年10月から2013年3月まで東京・SHIBAURA HOUSEで開催される、「日常」と「実践」をテーマにした新しいクリティカルスタジオ「HUMAN PRACTICE」のメインモデレーターを担当。また、期間中の土曜日の夕方から不定期にHUMAN PRACTICE参加チューターなどによるイベント・ワークショップを1Fカフェ・バースペースにて開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 橋詰 宗 

    橋詰 宗

    デザイナー

    1978年広島県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA) コミュニケーションアート&デザイン修士課程修了。さまざまな領域のアートディレクション、ブックデ ザイン、ウェブデザイン等を手掛ける一方、『D♥Y』『HUMAN PRACTICE』『何に着目すべきか?』『紙と束見本』『(   )も(   )も(   )も 展』など実践と着目点をコンセプトにしたワークショップ、スクールや展覧会ディレクションを手がける。

  • 間口一就 

    間口一就

    バー「ロックフィッシュ」店主

    銀座「ロックフィッシュ」店主。愛媛出身。2002年に東京・銀座に進出。ハイボールブームの火つけ役で、看板メニューは氷を入れない「角ハイボール」。また、身近な材料や缶詰を使って簡単で「あっ! 」と言わせるようなおつまみやオリジナルレシピの開発に励んでいる。著書に『バーの主人がこっそり教える味なつまみ』、『バーの主人がこっそり教える甘いつまみ』(柴田書店)、『缶つまデラックス』(世界文化社)がある。