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橋詰 宗

デザイナー

間口一就

バー「ロックフィッシュ」店主

今回インタビュアーとして登場するのは、デザイナーの橋詰宗さん。グラフィック・デザインやアートディレクション、ウェブデザインなどの枠にとどまらず、ワークショップやイベントなど、デザイン/編集的な視点から、さまざまな人、コト、モノをつなげる場づくりにも積極的に取り組んでいる彼が、話を聞きたい人として名前を挙げてくれたのは、銀座のバー「ロックフィッシュ」の店主・間口一就さん。特製ハイボールと、独創的なつまみで人気を集めるバーを営む傍ら、ご自身の著作も出されている間口さんに、橋詰さんが聞きたいこととは?

4. 組み合わせはどうやって考えるのですか?

間口一就 

ただ漠然と何かと何かを組み合わせるのではなく、例えば、エビで何かやってみようと決めてからは、頭をエビにして(笑)、色々考えを巡らせていくんです。

Q.まずは俯瞰して色々な食材を見るところから始めるという話でしたが、そこからの組み合わせというのはどのように考えていくのですか?

間口:ただ漠然と何かと何かを組み合わせるのではなく、まず核となる食材を決めます。例えば、エビで何かやってみようと決めてからは、頭をエビにして(笑)、色々考えを巡らせていくんです。

「揚げ出し豆腐キムチ鍋」 「鶏からジャム」 「白雪きんぴら」

Q.例えば、グラフィックデザインのような領域では、 組み合わせというのは視覚的なところに強く出てくると思いますが、料理の場合は、味や見た目の美しさはもちろん、匂い、食感など実にさまざまな要素が関わってきますよね。

間口:そうですね。発酵食品同士や、甘いものとしょっぱいものを合わせたり、異なる食感の組み合わせを考えるなど、基本的な組み合わせのパターンというのがいくつかあるんです。それをベースに色々試していくうちに、これだと決まる瞬間があって、その時点ではすでに盛りつけや食器のイメージなども決まっています。

「缶つま デラックス 銀座の人気バー ロックフィッシュのレシピ!」(2010/世界文化社)より。 「バーの主人がこっそり教える味なつまみ」(柴田書店/2009)より。

Q.缶詰や手に入りやすい一般的な食材を使う一方で、高級な食材もミックスするなど、あらゆる食材を等価に見られているようですね。

間口:こういうバーのメニューとしては、高い食材も缶詰もどちらも珍しいものなんですよね。あと、例えば、菜の花というのは通常つぼみのままで、花が開くと食材としての商品価値はなくなるのですが、あえて花を咲かせて食べさせるということもしています。実は花が咲いてもそんなに味は変わらない。それなら見た目的に開いている方が面白いしカワイイじゃないですか。ビジュアルも大切な要素ですよね。

Q.調理の面でも、実に色々な工夫をされていますね。

間口:カウンターの中というのは、トースター2台と一口コンロしかないコックピットみたいな所なんですが、やる気次第でなんでもできてしまうんですよね。制限があった方が面白いし、気合いが入るところがあるんですよ。

Q.盛り付けを見ても、普通は厚切りにするスパムを薄く切って出したり、ロックフィッシュ名物のハイボールも、氷をいっぱい入れてグビグビ飲むスタイルが主流の中で、分量をきっちり決めて小ぶりなグラスで出していますよね。やはりそうした演出の部分も大きいですよね。

間口:スパムを薄切りにするだけでも食感はだいぶ変わりますし、ハイボールに関しては、大阪時代から同じグラスを使っているんです。最近のタンブラーというのは細くて垂直なものが多いんですが、これだと鼻が隠れないから香りを味わいにくいんですね。いまうちで使っているグラスの方が口に当たる感じも良いし、見た目的にもお酒が並々入っているのがうれしいですよね。そういう部分も重要だと思います。<続く>

インフォメーション

間口一就さんによる最新刊『銀座「ロックフィッシュ」間口一就の麺々エブリデイ!』は、辰巳出版より発売中。
橋詰宗さんは、2012年10月から2013年3月まで東京・SHIBAURA HOUSEで開催される、「日常」と「実践」をテーマにした新しいクリティカルスタジオ「HUMAN PRACTICE」のメインモデレーターを担当。また、期間中の土曜日の夕方から不定期にHUMAN PRACTICE参加チューターなどによるイベント・ワークショップを1Fカフェ・バースペースにて開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 橋詰 宗 

    橋詰 宗

    デザイナー

    1978年広島県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA) コミュニケーションアート&デザイン修士課程修了。さまざまな領域のアートディレクション、ブックデ ザイン、ウェブデザイン等を手掛ける一方、『D♥Y』『HUMAN PRACTICE』『何に着目すべきか?』『紙と束見本』『(   )も(   )も(   )も 展』など実践と着目点をコンセプトにしたワークショップ、スクールや展覧会ディレクションを手がける。

  • 間口一就 

    間口一就

    バー「ロックフィッシュ」店主

    銀座「ロックフィッシュ」店主。愛媛出身。2002年に東京・銀座に進出。ハイボールブームの火つけ役で、看板メニューは氷を入れない「角ハイボール」。また、身近な材料や缶詰を使って簡単で「あっ! 」と言わせるようなおつまみやオリジナルレシピの開発に励んでいる。著書に『バーの主人がこっそり教える味なつまみ』、『バーの主人がこっそり教える甘いつまみ』(柴田書店)、『缶つまデラックス』(世界文化社)がある。