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福井利佐

切り絵アーティスト

笠尾美絵

オーダースウィーツ「SWEETCH」主宰

今回インタビュアーを務めてくれるのは、現代的なモチーフやグラフィカルな構図による作品で、既存の切り絵の概念を覆す多岐に渡る活動を展開している福井利佐さん。そんな福井さんがインタビューするのは、オーダースウィーツ、ケータリング、ワークショップ、インスタレーションなどを手がける「SWEETCH」の主宰・笠尾美絵さん。福井さんの個展や雑誌の撮影用に笠尾さんのスウィーツが使われたり、笠尾さんのワークショップに福井さんが親子で参加したりと、すでに交流があるおふたりの間で、はたしてどんな会話が交わされるのでしょうか?

4. どんなワークショップをやっているのですか?

笠尾美絵 

うちに帰ってからも作りたいという人もいるので、ベーシックなレッスンもやっていますが、どちらかというとこの場で一緒に楽しむというものが多いですね。

Q.これまであったオーダーで印象に残っているものはありますか?

笠尾:アイスランドの観光PRイベントのために、1メートルくらいの山の形のケーキを作ったんです。以前アイスランドの火山が噴火した時、観光客を呼び戻すために火山のケーキを作ってほしいという依頼だったので、ケーキの中にドライアイスを仕込んで、それを噴煙に見立てたんです。自虐ネタなんですけど(笑)、面白かったですね。

Q.オーダーでは色んなスウィーツを作っていますが、笠尾さんが一番得意なものは何なんですか?

笠尾:実は、テイクアウトのケーキよりも、お皿に盛り付けるデザートを作るのが一番好きなんですよ。そういうものはオーダーケーキではできないので、私がやっている「素材を愉しむワークショップ」で生徒さんに食べてもらって楽しんでいますね(笑)。オーダーケーキはデザインが、デザートは食材の組み合わせが楽しいですね。

Q.ワークショップのお話ももう少し聞かせてください。

笠尾:先ほどお話した季節の素材を愉しむワークショップでは、季節のフルーツの栗や桃などをテーマにして、メインのケーキをお客さんに作ってもらい、私が作った前菜やスープ、栗や桃のデザートコースを一緒に食べてもらいます。うちに帰ってからも作りたいという人もいるので、ベーシックなレッスンもやっていますが、どちらかというとこの場で一緒に楽しむというものが多いですね。最近は常連の方も増えてきて、みんなが作りたいスウィーツの企画をやってみたり、自分がニューヨークに行ってきた時なんかは、向こうの気分を味わってもらうためのスウィーツや料理を作ったりもしましたね。

Q.私も子どもと一緒にワークショップに参加させてもらったんですが、子どももいると後ろめたさがないし(笑)、とても良かったです。混ぜたり、焼いたり、飾り付けをするくらいで包丁も必要ないから子どもでも入りやすいし、飾り付け用のアラザンを見た瞬間に興奮していました(笑)。そういえば子どもの頃、そんなに無理してたくさん作らなくてもいいよっていうくらい、母が凄くたくさんマドレーヌを作ってくれていたんですけど、お料理よりもお菓子の方が、気軽に親子がつながりやすい気がします。

笠尾:そうですね。私も子どもの頃は、作り方を教わるというよりは一緒に遊ぶような感覚だったんですけど、やっぱり母親からの影響がいまに活きているのだと思います。

Q.うちの子どもの保育園は食育に力を入れていて、簡単なごはんやおやつ、ジャムなどを作ったりしているんですけど、自分が作ったものの方が思い入れもあるからよく食べるんですよね。子どもの頃、家でおばあちゃんがジャムを作ってくれていて、それが凄く美味しかったんですね。でも、そういう経験がない子だと、ジャムが自分で作れるとは思わない。そういう意味でも、笠尾さんのお母さんが家庭科の先生だったことはやっぱり大きいんですね。

笠尾:お菓子を作った楽しい思い出があったからこそ、この道に進んだのだと思います。でも、実はうちの母親、料理はあまり上手じゃなかったんです(笑)。先生をやっているから基礎はできるんですけど、被服の方が得意なので(笑)。私もお料理は作るより食べる方が好きなんですよ(笑)。<インタビュー終わり>

インフォメーション

4月21日に自由が丘・IDEE SHOPにて開催される「IDEE MARKET」(11時~日没/雨天中止)に笠尾さんが参加し、焼菓子等を販売予定。
福井さんが毎年メインビジュアルを制作している宝生流宗家による能楽公演「宝生流和の会『体感する能ー葵の上ー』」が6月29日に開催。さらに、8月中旬からは銀座・POLA MUSEUM ANNEXにて、東京では2年ぶりとなる個展を開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 福井利佐 

    福井利佐

    切り絵アーティスト

    切り絵アーティスト。1975年静岡県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。大学の卒業制作として制作した「個人的識別シリーズ」がJACA日本ビジュアルアート展特別賞を受賞。主な仕事は、Reebokとのコラボレーションスニーカー、アーティスト中島美嘉のジャケット・ステージ装飾、「手塚治虫×福井利佐byUNIQLO」でのTシャツデザイン、桐野夏生氏の小説への挿画、「婦人画報」表紙へ切り絵での参加など。著書に、「KI RI GA」「たらちね Tarachine 切り絵原画集~映像 作品『たらちね』の舞台裏~」がある。

  • 笠尾美絵 

    笠尾美絵

    オーダースウィーツ「SWEETCH」主宰

    SWEETCH主宰。1974年生まれ。栄養士の短大卒業後、仙台市内のホテル、東京都内のレストラン、ケーキ店、IDEEのレストランなどにて、パティシエとして様々なスウィーツに携わる。IDEE退社後、数ヶ月間のヨーロッパ放浪の後、2005年にSWEETCHを立ち上げ、IID(世田谷ものづくり学校)内にアトリエを構えて活動を開始。2006年にアトリエを広尾に移し、現在に至る。