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福井利佐

切り絵アーティスト

笠尾美絵

オーダースウィーツ「SWEETCH」主宰

今回インタビュアーを務めてくれるのは、現代的なモチーフやグラフィカルな構図による作品で、既存の切り絵の概念を覆す多岐に渡る活動を展開している福井利佐さん。そんな福井さんがインタビューするのは、オーダースウィーツ、ケータリング、ワークショップ、インスタレーションなどを手がける「SWEETCH」の主宰・笠尾美絵さん。福井さんの個展や雑誌の撮影用に笠尾さんのスウィーツが使われたり、笠尾さんのワークショップに福井さんが親子で参加したりと、すでに交流があるおふたりの間で、はたしてどんな会話が交わされるのでしょうか?

2. 何をイメージして作っているのですか?

笠尾美絵 

まず香りを想像して、美味しそうかなと思ったら試作をするというパターンが多いですね。

Q.私も個人的にクッキーなどの焼き菓子を作ったりするんですけど、自分で調節しながら作れるからとても楽しいですよね。でも、何かが足りなかったり、甘過ぎたりすることも多いんです。その点、笠尾さんが作るものは毎回甘過ぎず、スウィーツが苦手なうちの主人も食べられるし、ただ美味しいだけではなく斬新な工夫もあって、「この味の組み合わせをするのは凄い!」といつも感動させられるんです。

笠尾:実は、全然甘さを控えているわけではなくて、スパイスを使ったり、甘さを感じない組み合わせにしていることが多いんです。私も甘過ぎるものがあまり好きじゃないので、どちらかというと自分に合わせて作っているところがあると思うんですけど、味に関してはやっぱり自分が本当においしいと思っているものではないと自信を持って出せないですからね。

Q.ネタ帳みたいなものはあるんですか?

笠尾:全部頭の中でやっていますね。たとえネタ帳をつけていても、その時に作ってみたらうまくできないということも多いんです。私の場合は、まず香りを想像して、美味しそうかなと思ったら試作をするというパターンが多いですね。

(左)砂糖のメリーゴーランド『Happy Merry go- round』、(右)クッキーシャンデリア『クリスマスイベント』

Q.さまざまな産地の食材を使っていますけど、研究取材のような感じで色んな土地に足を運んでいるんですか?

笠尾:たまには一人で旅することはありますが、全国各地に友達がいるので、だいたい現地に住んでいる友人と合流しています。食材などに関しては、友達の知り合いの農家さんのところに最初に遊びに行って、食材の知識を教えてもらったり、味を確かめてから取り寄せるということが多いですね。ヨーロッパなんかに行くことも多いんですけど、それはあまりお菓子作りとは関係なかったりします。SWEETCHを立ち上げる前に2ヶ月ほどヨーロッパを回っていて、友人の紹介でフランス人のお家に遊びに行った時に、「良い機会だからケーキ屋で働いてみなよ」と紹介してくれたことはありましたけど、基本的にはインスピレーションや刺激を与えてくれる場所に行くことがほとんどですね。美術館やギャラリーなども普段から行きますし、雑貨も好きなのでよく見ていて、そういうものが後々になって役立つことはありますね。

福井利佐さんの作品。(左)「葵の上」(宝生流和の会2013メインビジュアル)、(右)「Chiled of Grimm」

Q.お店の場合、同じ型、デザインのものを量産していくことがほとんどだと思うし、職人さん的なイメージがあるけど、笠尾さんの場合はオーダースウィーツだから常に違うものを作っているわけで、それも面白いですよね。ある意味アーティストである私にも近そうだし、相手のバックグラウンドなんかを考えながら、その人のために作っていくというのは、普通の生産とは違う楽しさがありそうですね。

笠尾:そうですね。毎回新たに色んなことを調べたり、前準備は結構大変なんですが、顔が見える相手のためにデザインを考えていくから、結果的にその人に寄り添うようなものができているんじゃないかなと。食べ終わった後に「ありがとうございました」と直接言ってもらえたり、メールが届いたりするのはうれしいですし、以前には、これからプロポーズに行くという男性から、おそらくプロポーツをするであろうホテルの形をしたケーキを作ってほしいというオーダーがあったんですよ。

Q.凄い!結婚記念日とか人生の節目というのはいいですよね。ケーキは、幸せな時やサプライズの時には欠かせないものですもんね。<続く>

インフォメーション

4月21日に自由が丘・IDEE SHOPにて開催される「IDEE MARKET」(11時~日没/雨天中止)に笠尾さんが参加し、焼菓子等を販売予定。
福井さんが毎年メインビジュアルを制作している宝生流宗家による能楽公演「宝生流和の会『体感する能ー葵の上ー』」が6月29日に開催。さらに、8月中旬からは銀座・POLA MUSEUM ANNEXにて、東京では2年ぶりとなる個展を開催予定。

もっと知りたい人は…

  • 福井利佐 

    福井利佐

    切り絵アーティスト

    切り絵アーティスト。1975年静岡県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。大学の卒業制作として制作した「個人的識別シリーズ」がJACA日本ビジュアルアート展特別賞を受賞。主な仕事は、Reebokとのコラボレーションスニーカー、アーティスト中島美嘉のジャケット・ステージ装飾、「手塚治虫×福井利佐byUNIQLO」でのTシャツデザイン、桐野夏生氏の小説への挿画、「婦人画報」表紙へ切り絵での参加など。著書に、「KI RI GA」「たらちね Tarachine 切り絵原画集~映像 作品『たらちね』の舞台裏~」がある。

  • 笠尾美絵 

    笠尾美絵

    オーダースウィーツ「SWEETCH」主宰

    SWEETCH主宰。1974年生まれ。栄養士の短大卒業後、仙台市内のホテル、東京都内のレストラン、ケーキ店、IDEEのレストランなどにて、パティシエとして様々なスウィーツに携わる。IDEE退社後、数ヶ月間のヨーロッパ放浪の後、2005年にSWEETCHを立ち上げ、IID(世田谷ものづくり学校)内にアトリエを構えて活動を開始。2006年にアトリエを広尾に移し、現在に至る。