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えぐちりか

アーティスト
アートディレクター

田中杏子

「Numéro TOKYO」編集長

えぐちりかさんは、電通のアートディレクターとして働く傍ら、アーティストとしても個性あふれる作品を発表し続けているいま最注目のクリエイター。一昨年にはお子さんが産まれ、現在は子育てをしながら仕事をしている彼女が今回インタビューするのは、ファッション雑誌「Numéro TOKYO」編集長の田中杏子さん。人気俳優からアスリートまで話題のセレブリティたちを独自の視点で切り取る企画や、国内外のトップクリエイターたちによるカッティングエッジな誌面作りで他の雑誌と一線を画している同誌の編集長を創刊から務めながら、すでに5歳になるお子さんを持つ田中さんに、仕事や子育てのことについて聞いてきました。

Photo:田川友彦

2. 雑誌を通して何を伝えたいのですか?

田中杏子 

センセーショナルな話題を作るだけじゃなくて、意外な一面や人間っぽさを知ってもらうことで、その人の魅力がさらに増すような誌面にしたいと思っています。

Q.前にフィギュアスケーターの髙橋大輔さんを、篠山紀信さんが撮るという企画がありましたが、実は私、その髙橋さんの衣装のデザインをしていたので、スゴくうれしかったんです。誰もが知っている有名人を、「Numéro TOKYO」ならではの切り口で見せているから、いつもドキッとして手がとまってしまうんです。

田中:ありがとうございます。最近はありがたいことに、「Numéro TOKYO」なら面白く料理してくれるんじゃないかと期待して、向こうから出たいといってくれる方が多いんですよ。もちろん、こちらからオファーすることも多くて、髙橋さんの時は絶対無理だろうと思いながらお声がけさせて頂いたのですが、実際に見本誌の誌面を見て、普段ほとんどスポーツ誌にしか出ない髙橋さんが、これなら出たいと言ってくれたんですよ。

「Numéro TOKYO」No.58より。撮影:篠山紀信

Q.色んな媒体を見ていますが、こんなに素敵に撮影されていることにかなり感激して、「この号は絶対大事にしよう」って思いました(笑)。沢尻エリカさんのセミヌードにしても、ただセンセーショナルに撮ったというわけではなくて、被写体に対してスゴく愛情があるように感じます。それはもしかしたら「お母さんの視点」なのかなって。私自身、これまでは「やってやる!」という気持ちが強かったけど、お母さんになってみて、自分を出すよりも、相手を自分なりの切り口でどう表現すれば、その人が次のステージにいけるかということを考える方が楽しくなってきたんです。

田中:私が「Numéro TOKYO」を始めた時はすでに子どもが生まれていたので、お母さんになってからずっとこの本を作っていることになるんですけど、それは当たっているかもしれないですね。言われるまで気づかなかったです。「Numéro TOKYO」に出てもらう方によく言うのが「心を裸にしてほしい」ということなんですね。センセーショナルな話題を作るだけじゃなくて、意外な一面や人間っぽさを知ってもらうことで、その人の魅力がさらに増すような誌面にしたいと思っています。隙のない人を完璧にカッコ良く見せるだけではつまらないし、その背後にある心のヒダのようなものまできっちり伝えたいなと。

Q.売上だけを考えるなら、この人が脱いでくれたという事実が大事なのかもしれない。でも、「Numéro TOKYO」からは、取材する以上その人のことが好きだという前提で、何がその人の魅力につながるのかということを考えながら作っている感じが伝わってきます。

田中:その人の人間としての器や、いまに至るまでの感情をしっかり伝えたいし、人間味があふれていないと意味がない。その人のダメなところも含め、魅力をきっちりカタチにしていきたいと思っていて、それを編集部全員が共有していることが、うちならではの色につながっているのかもしれないですね。<続く>

インフォメーション

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もっと知りたい人は…

  • えぐちりか 

    えぐちりか

    アーティスト
    アートディレクター

    電通にてアートディレクターとして働く傍ら、アーティストとして国内外で作品を発表。絵本「パンのおうさま」が小学館より発売。2011年フィギュアスケート髙橋大輔選手の衣装を担当するなど、広告、アート、プロダクト、衣装など様々な分野で活動を展開。JAGDA新人賞、ひとつぼ展グランプリ、岡本太郎現代芸術大賞優秀賞、イギリスD&AD金賞、スパイクスアジア金賞、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞、街の本屋が選んだ絵本大賞3位ほか受賞多数。

  • 田中杏子 

    田中杏子

    「Numéro TOKYO」編集長

    ミラノに渡りファッションを学んだ後、第一線で活躍するファッション・エディターのもとで、雑誌や広告などに携わる。帰国後は、フリーランスのスタイリストとして活動。『流行通信』や『ELLE JAPON』の契約スタイリストを経て、『VOGUE NIPPON』創刊時より編集スタッフとして参加。ファッション・エディターとしてのキャリアを重ねるとともに、広告やTV番組の司会、また資生堂「Maquillage」キャンペーンのファッション・ディレクターを2年間兼務するなど多方面で活躍。2005年より『Numéro TOKYO』編集長に就任し、現在にいたる。