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えぐちりか

アーティスト
アートディレクター

蜷川実花

写真家
映画監督

カンバセーションズに2回目の登場となるアーティスト/アートディレクターのえぐちりかさんが、今回インタビューを依頼したのは、フォトグラファー/映画監督として活躍を続ける蜷川実花さん。数々の著名人の写真集や自身の作品集を発表し、さらに沢尻エリカさん主演の映画『ヘルタースケルター』、AKB48のミュージックビデオ「ヘビーローテーション」など、近年では映像分野でもセンセーショナルな作品を世に送り出しています。ますます活動の幅を広げ、多忙を極めるトップクリエイターであり、一児の母でもある蜷川さんに、えぐちさんがさまざまな質問を投げかけます。
※このインタビューは、雑誌「QUOTATION」との共同コンテンツです。3月22日発売の『QUOTATION』VOL.14の誌面でもダイジェスト版をご覧になれます。

4. 挑戦的な作品が多いのはなぜですか?

蜷川実花 

自分がやりたいことは勇気を持ってやるということは大事にしているんだけど、向いている方向が他の人とズレているんです。だから、結果としてそれが挑戦的と捉えられたりするんでしょうね。

Q.先日、AKB48のオフィシャルカレンダーボックスのデザインをした時に、秋元康さんからは、「カレンダーなんだけど、みんなが話題にするようなものものを見せてほしい。カレンダーで事件を起こしてくれ」という主旨のことを言われたんです。そのとき、実花さんの「ヘビーローテーション」のPVの話をされていて、実花さんみたいに女の人が凄い世界を魅せつけて、それを男がちょっと覗いている感覚が面白いんだと。

蜷川:それは初めて聞きました(笑)。でも、私自身「事件になる」ということは、いつも多少意識していて、それは「ヘビーローテーション」のPVの時もありました。あの時は最初に秋元さんから「何でもやってください」と言われたんですね。でも、私は生真面目なところがあって(笑)、それを見抜くように「蜷川さんが思っている以上にやっていいんですよ」って背中を押してくれて。わずかな時間でそこまでわかるなんて凄い人だなと思ったんですけど、他の仕事にしても、例えば男性の写真を撮る時に女性を絡めてみたりとか、それこそスポーツ新聞なんかに取り上げられそうな要素を入れることは多くて、やっぱり人はそれを見たいんですよね。もちろんそのために撮っているわけではないけど、やってもいい時には、そういうこともやるようにしています。

AKB48「ヘビーローテーション」

Q.「ヘビーローテーション」は、YouTubeの再生回数も凄いことになっていましたね。

蜷川:実は私、この作品がほぼ最初のPVだったんです。でも、それまでAKBのPVを女性が撮ったことはなかったし、そこでわざわざ私に依頼が来たということは、やっぱり他の人と違うことをやった方がいいだろうなというのはありました。それで、女子高の修学旅行のような女だけの無防備な感じを出せたらいいのかなと。毎回なぜ私のところに依頼が来たのか、何を求められているのかということは意識するようにしていますね。だいたい声をかけてもらう時は、王道のものではなくて、何かを変えたい時や、新人で色をつけたい時なんかが多いですね。だから、反則技ギリギリを求められることが多いんです(笑)。

AKB48「2013 オフィシャルカレンダーBOX」

Q.チャレンジングな表現をすることへの恐怖はありませんか?

蜷川:その辺の感覚は完全にズレているんですよ。『ヘルタースケルター』の時は、「よくあの題材をやるね」とか「チャレンジングだね」と言われたけど、自分自身は全くそんなこと思ってないんですね。この作品は女の人にしか撮れないし、業界の話だから私は得意だし、これを演じるのは沢尻エリカしかいないでしょって当たり前のように思っていた。別に挑戦的なことをしたいと思っているわけではないんです。自分がやりたいことは勇気を持ってやるということは大事にしているんだけど、向いている方向が他の人とズレているんです。だから、結果としてそれが挑戦的と捉えられたりするんでしょうね。これは親の教育もあると思っていて、5歳くらいの頃にに言われた言葉で覚えているのが、「みんなが右に行っても、自分が左だと思ったら、ひとりでも進める人間になってほしい」ということで。そういう親の教育が色んなところにあったんだと思います。<続く>

インフォメーション

2冊同時刊行された蜷川実花さんの最新写真集「NINAGAWA MEN 1」「NINAGAWA WOMAN 2」が好評発売中。また、無料カメラアプリ「cameran」と、きゃりーぱみゅぱみゅをモデルに撮影した写真集&ガイドブックアプリ「蜷川TOKYO MAP」が好評リリース中。
えぐちりかさんが、教材、ベビーマットや絵本など毎月届く玩具などのトータルアートディレクションを手がけた3ヶ月から1歳までのベネッセ「こどもチャレンジbaby」が2013年7月より展開予定。

もっと知りたい人は…

  • えぐちりか 

    えぐちりか

    アーティスト
    アートディレクター

    電通にてアートディレクターとして働く傍ら、アーティストとして国内外で作品を発表。絵本「パンのおうさま」が小学館より発売。2011年フィギュアスケート髙橋大輔選手の衣装を担当するなど、広告、アート、プロダクト、衣装など様々な分野で活動を展開。JAGDA新人賞、ひとつぼ展グランプリ、岡本太郎現代芸術大賞優秀賞、イギリスD&AD金賞、スパイクスアジア金賞、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞、街の本屋が選んだ絵本大賞3位ほか受賞多数。

  • 蜷川実花 

    蜷川実花

    写真家
    映画監督

    木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。映像作品も多く手がける。2007年、映画『さくらん』監督。2008年、個展「蜷川実花展」が全国の美術館を巡回し、合計約18万人を動員。2010年、Rizzoli N.Y.から写真集「MIKA NINAGAWA」を出版、世界各国で話題となる。監督映画『ヘルタースケルター』が2012年7月より全国公開、21億円の興行収入を記録した。