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行友 光

ハンドメイドルアー製作

今回インタビュアーになってくれるのは、カンバセーションズのアートディレクションとWebデザインを手がけてくれたcookedの3人。”新鮮な役立たず”をテーマに、Web、映像、書籍などさまざまな分野でユニークな活動をしている幸前チョロくん、萩原俊矢くん、横田泰斗くんの3人が話し合いの末に”話を聞きたい人”として挙げてくれたのは、岡山を拠点にハンドメイドルアーを製作している六度九分行友 光さん。cookedとは活動内容も拠点も大きく異なる行友さんに、同世代の作り手として彼らが聞きたいこととは? カンバセーションズが10月半ばに敢行した岡山出張取材の発端となったインタビューをお届けします。

岡山出張取材でのインタビュー記事などをまとめた特設サイト「QONVERSATIONS TRIP OKAYAMA」がオープン。インタビューに加えて、公開取材イベントのアーカイブ映像や、岡山のさまざまなおすすめなどコンテンツ満載です。ぜひこちらからご覧ください!

4. 食べられない魚を釣るのはなぜですか?

行友 光 

もはや釣ることと食べることは完全に別の行為になっているんだと思います。

Q.cookedでは横田くんが魚を釣ってくると、メンバーを呼んで食べさせてくれたりするんです。もともと釣りというのはそういう食料を得るための方法でしたが、いまでは趣味や娯楽として位置づけられるようになっていて、多様な楽しみ方がされていますよね。

行友:そうですね。奥さんに「なんで食べられない魚を釣ってくるの?」と怒られるというのはよくある話ですが、もはや釣ることと食べることは完全に別の行為になっているんだと思います。それを強く感じたのは小津映画なんですね。「父ありき」という映画では、父と息子が一緒に釣りをするシーンが何回かあるのですが、釣った魚を食べているシーンは一切出てこないんです。つまり、釣りという行為だけを記号的に扱っているんですね。この映画における釣りの役割というのは、食べることとは全く関係なくて、魚や自然と対面する釣りという行為に、仕事や学校などの社会から外れるという意味合いを持たせていると思うんですね。

インタビューの後日、行友さんと一緒に釣りに行って来ました。その結果は…!?

Q.僕らは落語も好きなんですが、落語にも「東のバカ」の横綱は、釣りをする人だという話があるんです。ただ糸を垂らしてボーっとしているからバカだということなんでしょうけど、バカと言われている本人はスゴく楽しんでいるわけですよね。でも、それを端から見ていてもまったくわからないという。

行友:釣りというのは、見ている人とやっている人の間には絶対的な違いがあって、そういうちょっと変わった趣味なんですよね。落語は僕も見るんですけど、こないだも釣りの話が出てきて、そこでもちょっと社会から外れた人がやる遊びという位置付けがされていましたね。また別の小津映画で「戸田家の兄妹」というのがあって、お父さんが亡くなった後に誰がお母さんの面倒をみるかという話になって、子供たちはみんな何かしら理由をつけて、お母さんをたらい回しにするんです。その状況を見かねて「ふざけんな」と声を上げたのが、社会から少しはみ出た存在の次男だったんですが、その次男というのが、お父さんが亡くなった時に大阪でひとり鯛釣りをしていたという設定なんですよ。そこでも釣りをする人はちょっと世間から外れている存在なんだけど、ある意味重要な役割が与えられているんですよね。

ビギナーチョロ君、やりました!!

Q.そういえば「釣り好きに悪い人はいない」みたいな歌詞がモー娘。の曲にもありましたね。

行友:面白いもので、釣りというひとつの共通点があると、急にお互いの距離が縮まるんですよね。それは先ほども話した音楽との共通点にもつながると思うんです。自分が好きな音楽を聴いている人を見つけると、急にその人に親近感を覚えるじゃないですか。それはやっぱりうまく説明ができないからなんですね。説明できないにも関わらず、それを共有できる相手が見つかると、結束感や喜びが生まれるんでしょうね。<続く>

もっと知りたい人は…

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    cooked

    “新鮮な役たたず”をテーマに、ウェブ・映像・書籍などの制作と配布をする幸前チョロ、萩原俊矢、横田泰斗の3人組。世の中に既にあるテキストや画像、アルゴリズムなど、どんなものでも素材として、メンバーの手仕事によって調理(cook)する編集とデザインの間のような活動をしている。「カンバセーションズ」のアートディレクション&Webデザイン担当。

  • 行友 光 

    行友 光

    ハンドメイドルアー製作

    2004年から六度九分という屋号でルアー作りをはじめる。2012年2月に表参道のギャラリー同潤会で個展を開く。