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阿部淳也

クリエイティブ・ディレクター
1PAC.INC.

若林 純

サントリーホールディングス株式会社

今回のインタビュアーは、デジタル、インタラクティブ領域を中心としたデザイン、アプリケーション/システム開発などを手がける「ワンパク」の代表兼クリエイティブ・ディレクターの阿部淳也さん。これまでにさまざまな企業の案件を手がけてきた阿部さんがインタビュー相手として挙げてくれたのは、サントリーホールディングス株式会社広報部デジタルコミュニケーション開発部で働く若林 純さん。現在、同社の某プロジェクトを共に進行し、言わばクライアントとも言える若林さんに、同世代である阿部さんが聞きたいこととは?

4. なぜソーシャルメディアが得意なのですか?

若林 純 

ソーシャルメディアというのは、お客様のもとに出かけていって会話をさせて頂くという場。もともとお客様とのダイレクトなコミュニケーションを大切にする会社ですので、取り組みやすいのかもしれません。

Q.サントリーさんのデジタルマーケティングの事例を遡ると、ブログを活用したハイボールの展開が有名ですが、当時はどのような考えや経緯があったのですか?

若林:当時、ブログが流行し始めている時期で、サントリーもソーシャルメディアの活用を検討していました。2008年には広報部ブログを始め、ブロガーイベントも取組みを始めました。このイベントでハイボールを取り上げたところ、ブロガーさんから好評で、この頃からブロガーイベントも本格化しました。ハイボールの事例は、マーケティングや営業活動など全社の活動と、ブログでの活動が上手に連携できたからかなと思います。ハイボールイベントを開催するにつれ、ブロガーさんに取り上げていただく機会も増えていきました。いまソーシャルメディアを担当しているマネージャーも当時からブログを書いており、ブロガーでもあるんです。広報部ブログは広報部員が数名で書いていますが、広報部では、普段から文章を書く機会が多く、素養と言いますか、感覚も身につけやすいのだと思います。このハイボールでの成功例があったことで、これからはソーシャルメディアが重要だという意識も自然と社内に浸透していったようにも思います。

Q.多くの企業の場合、「何を書かれるかわからない」というリスクの部分を先に考えますよね。

若林:関係各部と連携しやすく良い関係にあったことは大きかったと思います。また社内の説明会なども通じて、ソーシャルメディアに対する理解は深めていけたと思います。もともと広報部は、自ら情報発信する機能はありましたし、広報部員が書いているメルマガもありました。もちろんリスクについてはさまざまな検討を重ねてきましたが、最終的に責任を持ってやると決めたら早い会社なのかもしれません。それこそ「やってみなはれ」ですね。

Q.各企業がソーシャルメディアを導入し始めた頃にしても、リスクや必要性について何度も説明をして、半年後くらいにようやく実現できるというケースも少なくなかったと思いますが、リスクよりも担当者の思いが大切ということですか?

若林:リスクがあるからという理由だけで一方的に止める人はいないですね。基本的には、どうすればそれをやれるかという発想を持ってくれています。もちろん熟慮は重ねますが、「やるなら一緒に考えよう」というスタンスなんです。だから我々としても社内でコソコソ始めるのではなく、早めにきちんと各部署に話をして、味方を作っていくということを大事にしています。ブランドマネージャーには若い社員が多いので、自らやりたいと私たちの部署に相談に来るケースも多いです。ソーシャルメディアというのは、お客様のもとに出かけていって会話をさせて頂くという場だと思うのですが、もともと工場見学や、サントリーホールやサントリー美術館をはじめ、ダイレクトなコミュニケーションを大切にする会社ですので、取り組みやすいのかもしれません。

SUNTORY TOWN

Q.現在若林さんが担当されている「SUNTORY TOWN」という会員登録制のサイトは、コンシューマーを強く意識したものだと思いますが、こちらはどんな戦略があるのですか?

若林:「SUNTORY TOWN」は、オウンドメディア上でのお客様との接点を、基盤としてどう作っていくかという考えが基本にあります。コンテンツとしては、ポイント制のキャンペーンやゲームなどがあるのですが、まずは訪問者数とともに、訪問頻度、滞在時間を伸ばし、各部のサイトへの回遊を促すことを目指し、2011年にスタートしました。ゆくゆくは購買やブランド訴求につなげたいという考えもありますが、まずはお客様との接点を作ることが第1ステップです。一度立ち上げたら終わりというようなフロー型のキャンペーンだけではなく、そこで得たお客様との接点をしっかりストックできるものにしていきたいという考えており、そのストックする基盤がようやくできてきたという段階ですね。

SUNTORY TOWN

Q.そのストックを事業部の各ブランドが活用できる形になりつつあるということですね。

若林:それが第2ステップですね。そして最終的には、お客様のロイヤリティ向上にもつながっていくといいなと考えています。<続く>

インフォメーション

阿部淳也さんのコラム「HOTに行こうぜ!ワンパクの考えるオウンドメディアの未来連載中」が現在「アドタイ」で連載中。

もっと知りたい人は…

  • 阿部淳也 

    阿部淳也

    クリエイティブ・ディレクター
    1PAC.INC.

    1974年宮城県生まれ。工業高校卒業後、自動車メーカでのユーザインターフェースエンジニアを経て、IT部門でデザイナー、テクニカルディレクターを経験。2004年より都内の広告代理店系プロダクションにて多くのWebサイト立ち上げや映像制作にクリエイティブディレクターとして携わった後、2008年に「ワンパク」を設立。デジタル・インタラクティブ領域を中心としたコミュニケーションデザインを強みとし、戦略・企画立案からモノづくりまでワンパッケージでおこない、様々な企業をサポートしている。また、独創性あふれるアイデアと技術力を活かしてリリースされる数々のオリジナルプロジェクトも注目されている。

  • 若林 純 

    若林 純

    サントリーホールディングス株式会社

    2000年にサントリー株式会社に入社。情報システム部にてインターネットのブロードバンド化や人事システム開発などを担当。2005年より現職。現在はサントリーホールディングス株式会社 広報部デジタルコミュニケーション開発部にて全社のWeb統括部署として、会員サイト「サントリータウン」やスマートフォンサイトの運営、全社のデジタル施策支援を行う。(社)日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会「商品ブランド・プロモーション研究WG」リーダー。